お会計 ページ6
✴︎✴︎✴︎
「さぁ、だいぶお腹が膨れました！」
2時間たっぷり焼肉三昧だったチャミくんが、お腹をさすりさすり、満足気に言った。
「だ、だいぶ？」
「ええ。
まだ満杯と言うわけではありませんけど、このあとヒョンの所に行くことを考えたらこれくらいでもまあ、良いか、と」
「……………」
一体そのスレンダーな身体の何処に数キロにもなる肉が収まっているんだろう…
私が人体の不思議をまざまざと感じていると
「…行かないんですか？ヴィクトリア」
コートを羽織り、リュックを背負ったチャミくんが
はるか頭上から眉を上げて私を見ていた。
「あっ！も、もちろん行きます！」
慌てて私もコートを手に取り、袖を通しながらテーブルから離れる。
支払いを、と思いテーブルの上の伝票を探す。
「…あれ？ない……」
…おかしい…。確かにさっきまではあった…
と、言うことは……
「ちょっ！ちょっとチャミくんっ！！」
はるか(？)先を行くチャミくんを慌てて追いかける。
「でっ、伝票持ってるでしょ！返して！私の奢りの約束だよ！」
追いついたチャミくんに向かい、大きく右手を差し出した。
するとチャミくんは意外にもあっさりとその手に握っていた伝票を差し出す。
「…って！伝票だけじゃないし！！」
伝票と一緒にお札が握らされていた。
「足りない分、お願いします。
ご馳走さまでした」
そう言ってぺこりと頭を下げてさっさと店内から出て行った。
私はとりあえず会計を済ませて、身だしなみを整えて慌ててチャミくんの後を追う。
外に出た途端、冷たい北風が頬を撫で付けた。
「寒っ…！」
コートの襟元をキュッと握りしめ、チャミくんを探す。
少し先の交差点に立つチャミくんを見つけた。
街灯の下、佇むチャミくんはユノとはまた違うバランスでオーラを放ち、人目をひいている。
…ユノとは違ってどこか儚げ…なんだよなぁ…
見惚れていると、その視線に気づいたチャミくんが大きく手を振って私を呼んだ。
「何ぼーっとしてますか！タクシー捕まえますよ！早くこないと置いてくぞーー！」
…儚げ…という言葉とは程遠いチャミくんの言動に
内心ちょっと残念がりながら私はダッシュした。
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かえる(プロフ) - 次章へ行かなくちゃ！ (2016年9月10日 23時) (
レス) id: c3cb7c4659 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - のこさん» のこさん、チャンミンと一緒に行くんですね？ (2016年9月10日 20時) (レス) id: e61f1c7906 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - ちのさん» コメントありがとうございます(*^^*) チャミくんは一番色々気づいているかもしれないですね。二人にとっては救世主です！ (2016年9月10日 19時) (レス) id: e61f1c7906 (このIDを非表示/違反報告)
のこ(プロフ) - ヴィクトリアに行ってオッパに癒されたいです！えぇ、何がなんでも、オッパと呼びますよ？ (2016年9月9日 17時) (レス) id: 9c0a90af40 (このIDを非表示/違反報告)
ちの(プロフ) - 相手の為に自分の気持ちを抑えて、なんぼつらくても耐えられるんですね…>_<…2人のように淡い恋してみたいな…ちゃみをつきあって、遠目？で自分をみつけらるかもしれませんね^(*^^*) (2016年9月9日 15時) (レス) id: 58256d473c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作成日時：2015年8月6日 11時
