お土産 ページ40
✴︎✴︎✴︎
その日の午後だった。
「やっほ〜〜！Aちゃん！」
拓海くんが一人でカフェにやって来た。
「いらっしゃいませ！」
カウンター席へと案内してオーダーを受けようと隣で待っている私に
「Aちゃん、これ！」
ニコニコ顔の拓海くんが紙袋を差し出した。
「……これ…は…？」
「親戚の不幸があって、俺、東京行ってたの！
で、これ東京のお土産！まぁ、空港で慌てて買ったもんなんだけどさ、Aちゃんに何か買って帰りたくて！」
そう言って私の手に紙袋を握らせた。
「…そんな大変な時なのに…わざわざ私になんて…」
「食べてなくなるもんだから、気兼ねなくもらってよ！
んで、今度またデートしてね！」
そう言って屈託無く笑う拓海くんの笑顔に心苦しくなった。
そうだ。伝えないと…。
「…あの…ね。拓海くん…
実は…あの……」
どう口に出したら良いかわからないまま口を開いたその時だった。
「すみません。
彼女は今、俺の恋人なのでプレゼントとかそういうのは控えてもらえますか？」
厨房から、コックコート姿のチャミくんがいきなり現れて私の隣に並んでそう言った。
「…えっ…」
驚いたのは拓海くんだけではなく…
「び、ビックリした。突然現れるから…」
「だってAさん、ちゃんと断れるか心配だったから」
「し、失礼ね。自分の事なんだから私だってちゃんとできるよ…！」
「どうかなぁ。今だってそうやってすっかり受け取っちゃってるし」
「こ、これは…！
だって、お土産だって言うから…」
「お土産だってれっきとしたプレゼントですけど？」
「…えっ…、そ、そうなの？お土産もダメなの…？」
「ほら…。やっぱり俺がちゃんと見てないとダメですね〜」
「し、仕方ないじゃない。よくわからないんだもん」
やっぱりどうしても顔が赤くなってしまう。
そんなやりとりをしていた私たちを
拓海くんがまん丸な目をして見ていて…
「あっ！あ、ご、ごめんなさい…あの……そういうわけでその……」
慌てる私に拓海くんは
その真っ直ぐな瞳で
「…本当に？」
伺うように聞いてくる。
ここではっきりとした答えを出せば
おそらくユノにも伝わる…。
そんなことを考えながら
私は卑怯にもそこで答えを出した。
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かえる(プロフ) - 次章へ行かなくちゃ！ (2016年9月10日 23時) (
レス) id: c3cb7c4659 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - のこさん» のこさん、チャンミンと一緒に行くんですね？ (2016年9月10日 20時) (レス) id: e61f1c7906 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - ちのさん» コメントありがとうございます(*^^*) チャミくんは一番色々気づいているかもしれないですね。二人にとっては救世主です！ (2016年9月10日 19時) (レス) id: e61f1c7906 (このIDを非表示/違反報告)
のこ(プロフ) - ヴィクトリアに行ってオッパに癒されたいです！えぇ、何がなんでも、オッパと呼びますよ？ (2016年9月9日 17時) (レス) id: 9c0a90af40 (このIDを非表示/違反報告)
ちの(プロフ) - 相手の為に自分の気持ちを抑えて、なんぼつらくても耐えられるんですね…>_<…2人のように淡い恋してみたいな…ちゃみをつきあって、遠目？で自分をみつけらるかもしれませんね^(*^^*) (2016年9月9日 15時) (レス) id: 58256d473c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作成日時：2015年8月6日 11時
