バカ ページ18
✳✳✳
「昨日のあれ、誰？」
そう聞いてきたユノの質問の答えでもあるチャミくんが
いきなり私たちの間を割って入ったから
ユノがものすごく驚いたのがわかった。
チャミくんは
至って冷静に私の腕を掴んでいるユノの手を離し、
私の横に並び直した。
びっくりしたせいで力の抜けた手を外されたユノは
その左手を所在無さげにぶらぶらさせながら
「…僕はAの友人です。
君…昨日Aと一緒だったよね…？」
チャミくんを見据えながらユノが言う。
ユノの視線に怯むことなく真っ直ぐ見返すチャミくんは
「はい。シム・チャンミンと申します。
Aさんとは親しくさせていただいてますし、
ユノさんの事はAさんから伺ってます。」
落ち着いてそう言った。
(えっ…？！私、チャミくんにユノの事、話したことなんてあったっけ？！)
チャミくんの横で目が丸くなった私に気づいた彼は
すっと、
私の耳元に顔を寄せて
「昨日、ヴィクトリアで散々彼のことでくだまいてましたから」
と、小声で囁いた。
思わず真っ赤になる私を見てニヤリと笑ったチャミくんは
目を見開いて私たちを見ていたユノに向き直り
「申し訳ありませんが
ただいま仕事中ですので、プライベートなお話は就業時間外にお願いいたします」
そう言って
私の背中にも手をあて力を入れたから
一緒に一礼をした。
そして、私の顔を見る。
「Aさん、3番テーブルお願いします」
チャミくんにそう言われ
「あっはい！かしこまりました！」.
私は慌てて3番テーブルに向かった。
3番テーブルを片付け、
厨房での作業に戻ったチャミくんにお礼を言う。
「チャミくん、さっきはごめんね？ありがとう」
そう言う私に向き直ったチャミくんは
『あの人、バカですか？
心配で様子見に来るのになんで女連れで来ますかね？！』
と、早口でまくしたてた。
「…へ？
あ、あの……今、なんて……？
韓国語……だったよね……?」
目が点の私に一つため息をついたチャミくんは
「……独り言です。
気にしないでください」
そう言って、
くるりと背を向けて厨房での仕事に戻った。
✳✳✳
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 703人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かえる(プロフ) - 二人ともかなりの鈍チンですね(;-Д-)って〜相手を思いやる二人だからこうなっちゃったんですかね。あぁ〜もどかしいし切ないしで胸が苦しいです (2015年5月8日 15時) (
レス) id: fdcb33f473 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - 辻褄合ってますよぉ♪幼馴染みで近い距離でいたから、なかなか二人とも心の内を言えないんですね。お互いの事を知ってるだけあって、関係が崩れる怖さもあったりで、本当に切ないです。さてさて〜続き読みまーす。。。。゛(ノ‥)ノ (2015年5月8日 15時) (レス) id: fdcb33f473 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - かえるさん» かえるさ〜ん！読み直してくださったんですか〜？(*^^*)ありがとうございます(*^^*) 辻褄合わないところがあったら是非教えてください^_^; 誤字脱字など、いずれきちんと直したいと思ってマス。 (2015年5月8日 15時) (レス) id: 2acd5e7fbf (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - あぁ〜切ないですね(ToT)ユノの気持ちを知ってから読むと、ほーんとうに切ない(T△T) (2015年5月8日 14時) (レス) id: fdcb33f473 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - かえるさん» ユノも色々考えて……いるはず…^_^; 雪まつりは夜が幻想的で良いかもしれませんね〜。私が子供のころは滑り台系も結構多くて楽しかったんですけどねぇ。^_^; (2015年2月4日 22時) (レス) id: 959a650364 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆうの
| 作成日時：2014年11月19日 16時
