進む時 ページ11
★★★
「ところでどこでやんのよ？」
興味津々にコバさんが聞いてくる。
「…さっき話すな、とか言ってませんでした？」
「俺は特別だろ！直属の上司だし、大好きな先輩の愛すべき旦那様だぞ？！」
「…ぶっ…」
「真顔のまま吹き出すのやめれ」
「吹き出すようなことを言うのをやめてくださいよ。
堅苦しいことはやめて、ホテルで会食することになってます」
「ほー。
それはもちろん工藤グループのホテルだよな？」
「ええ。大通りの方のホテルですよ」
「いいなぁ！オーナーだから好き放題できるな！」
コバさんがそう言ってから、ぐいっ、とまた距離を詰めてきた。
「…ひょっとしてさ、そのままホテルのスィートでお泊まり、とか？？」
耳元でそんなことを言われ
ぼんっ、と顔が火を噴いた。
「おっ？！図星か？！」
「……ほ、ほ、ほっといてください…！」
真っ赤な顔のまま、勢い立ち上がってくるりと踵を返し、ブースを目指す。
も、手渡すはずの数量調書を持ったままだったから急いで戻り、
コバさんのデスクにドン、と叩きつけるようにしてブースに戻った。
「ありゃ、Aちゃん、顔真っ赤だよ？熱でも出た？」
ブースに戻った時、真理子さんと顔が合い、そんなことを言われて
「…ちょっとのぼせたみたいで…
頭、冷やしてきます…！」
自席に戻ることなく、そのままレストルームへと向かった。
鏡の前で改めて自分の顔を確認すると
本当にゆでだこのようになっていた。
…コバさんはどうしてピンポイントでついてくるんだろう…！！
……そうなのだ。
その通りなのだ。
会食を済ませたら、せっかくだからとそのままホテルのお泊りを勧められて
家族とは別に
私と浩一さんはちょうどスィートルームが空いているから泊まろう、という話になっているのだ。
澄江さんには“勉強にもなるから”と言われ、
断る理由もなく、お泊まり会(？)で話が進んでいる。
と、言うことは…
「………」
鏡の中の自分を見る。
……そういう事…だよね……
そうだよね…
当たり前だよね。夫婦になるんだもん。
情けない顔で映る自分。
……怖いんだ。
元カレの浮気現場を見てからは
そういう行為に全く自信が持てなくなってしまったから。
でも
逃げてばかりはいられない。
大丈夫、大丈夫。
浩一さんは優しい人だから。
心の中で
そう、呟いた。
★★★
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まい - ピアスの件は話すことができてよかったと私も思いました。私はユノさんよりちょっと年下(ほぼ同世代)ですが、こんな風に思われたらキュンとしちゃいそうです(*^^*) (2019年11月7日 20時) (
レス) id: 07f9b9444b (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - 裕さん» いつになったらなれますかね〜^_^; (2019年11月7日 18時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - 素直になれ〜〜〜ヾ(･ω･｀) (2019年11月7日 16時) (レス) id: 277fbb4572 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - 裕さん» 激しいツッコミをありがとう！！ (2019年11月7日 15時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - おいおいおいおいーっ！！！素直にならないとまぁ〜た誰かを傷付けちゃうわっ！(≧Д≦) (2019年11月7日 15時) (レス) id: 277fbb4572 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2019年10月14日 17時
