乗り越える壁9 ページ33
★★★
自分でも忘れていた。
どうにもならない感情を抱えたまま
膝を抱えて丸まる幼い私がいた事を。
消えてしまいたい、と願ったあの頃を。
「……思い…とどまれたのは……
佳奈が…いたから…」
一筋の光のように佳奈がいた。
佳奈だけは
私を見捨てなかった。
間違っていないよ、と。
私の前に立ち、手を差し伸べてくれた。
そして
「支えてくれる家族が…いたから…」
家はいつも暖かかった。
小さな身体で私を包む美咲に癒された。
飛び降りよう、と思った瞬間に皆の顔が走馬灯のように私の脳裏を巡り、
はっとして、手も足も止まったんだ。
紙一重だった。
それくらい追い詰められたこともある。
でも
佳奈や家族のおかげで
私はなにも恥じることなく胸を張っていれば良いんだ、と思えた。
私が頭を下げる必要はないんだ、と。
だから、真っ直ぐ前を見た。
負けるもんか、と歯を食いしばった。
私が平然としていたと思われたのならそれはある意味大成功とは言えるけど
でも
それはいつもギリギリの状況だったんだ。
なにも響いていない、なんて思われたくない。
見えないところでどれだけ傷ついているのか、
自分たちのしてきたことがどれだけのことなのか、
想像すらしないこと、
それは、なんて罪深いんだろう…！
「………私…は……そんなことしよう…とも
して欲しいとも……言ったことない……もの…」
私に腕を捕まれているせいで、身動きの取れない真由美が、ポツリと呟く。
「……でも、知ってたよね？私がなにをされていたのか。
それを止めもせずに黙認しているのは、やっているのと同じだよ…！」
皆が、か弱い真由美の味方となって私に向かってきた。
「…だって！腹が立ってたんだもん！！
なんでも持ってるAちゃんに！！
私の欲しいものを持ってるAちゃんに！」
顔を背けたまま、私の腕から抜けようともがく真由美。
「私、真由美が羨むようなものなんて持ってないよ！」
「持ってる！」
「持ってないよ！」
押し問答の末に
「持ってるよ！！
だって！Aちゃん、私を羨ましいなんて思わないでしょ？！」
とうとう掴んでいた手を振りほどかれた。
「…え？」
「私の何かを羨ましいと思ったことある？！
私みたいになりたい、なんて思うことあった？！」
真由美の瞳が真っ直ぐに私を見た。
★★★
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ゆうの(プロフ) - まゆまゆさん» 引っ込みは……………………さて。ゴールテープは目前まで来ました！ライブ開始までに終わらないかなぁ！！ (2019年10月13日 16時) (
レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - YUNのさん» YUNのさん、一体私をどんな体質だと…！(笑) 大丈夫ですよ〜(多分) もうエピローグは見えてきました！(おそらく) (2019年10月13日 16時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
YUNの(プロフ) - あの〜？もう１つの目的って 変な方向へ進みませんよね？？？？ゆうのさんS体質なので、、、、 (2019年10月13日 16時) (レス) id: 92e00ad2f0 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - えー…御曹司と並んだらダメじゃん！どうしてくれるんですか、これ！引っ込みつかなくなりそうやん(泣) (2019年10月11日 20時) (レス) id: ddaab80a3d (このIDを非表示/違反報告)
YUNの(プロフ) - 並ぶ場所間違ってますよ？ (2019年10月11日 15時) (レス) id: 92e00ad2f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2019年8月4日 9時
