乗り越える壁4 ページ28
★★★
ゆっくり頭を上げると
真由美が赤い目をして私を睨んでいた。
いや、
睨む、と言うより
子供が泣くのを堪えるあまり、眉間にシワがよるあの表情に近い。
そんな
思わず目を見開いた。
「…そういう…ところよ…」
真一文字に結ばれていた口元が
少しだけ動く。
「……Aちゃんの…
そういうところが………ずっと、ウザかったの…！」
「…え？」
真由美が
涙目で私を見る。
「…Aちゃんは…いっつもそう…！
人のために必死に動いて…！
自分が悪くないと思ったら絶対曲げなくて…！
でも、間違いに気づいたら素直に謝って…！
私が出来ないことを、いとも簡単にやってくれる！
なんで？
怖くないの？
自分の考えが、想いが相手に届かない、って辛くないの？！」
怒っているような
悲しそうな表情の真由美。
いつもニコニコ笑っていた子供時代。
自信満々だった学生時代。
その、どちらでもない真由美が、そこにいた。
「……もちろん、私だって怖いし、辛いし、悲しいよ。
でも、そんな風に感情が動くのって、その人のことが好きだから…だよね？
その人の事を考えてるから…だよね？
だったら……
……だから！
尚更なんとか自分の気持ちを届けたい…！と思うよ」
好きな相手とは仲良くしたい、繋がっていたい、と思うから。
私の言葉に
真由美が口を開く。
「……それは、単なる自己満足じゃないの？！
自分は、あなたのことをこんなに考えてます！
だから、こうしました！それをわかってくださいね！
自分の考えや都合を、相手に押し付けてるだけじゃないの？！」
あなたのため、と思う自分。
あなたのために動いている自分、に満足する自分。
「………そうだね。
たしかに自己満足かも知れないね…」
「……え」
私の返しに
真由美の目が丸くなった。
「…でも、自己満足でもいいんじゃないか、って思ってる」
更に目を見開く真由美に構わず、
私は続ける。
★★★
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 318人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうの(プロフ) - まゆまゆさん» 引っ込みは……………………さて。ゴールテープは目前まで来ました！ライブ開始までに終わらないかなぁ！！ (2019年10月13日 16時) (
レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - YUNのさん» YUNのさん、一体私をどんな体質だと…！(笑) 大丈夫ですよ〜(多分) もうエピローグは見えてきました！(おそらく) (2019年10月13日 16時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
YUNの(プロフ) - あの〜？もう１つの目的って 変な方向へ進みませんよね？？？？ゆうのさんS体質なので、、、、 (2019年10月13日 16時) (レス) id: 92e00ad2f0 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - えー…御曹司と並んだらダメじゃん！どうしてくれるんですか、これ！引っ込みつかなくなりそうやん(泣) (2019年10月11日 20時) (レス) id: ddaab80a3d (このIDを非表示/違反報告)
YUNの(プロフ) - 並ぶ場所間違ってますよ？ (2019年10月11日 15時) (レス) id: 92e00ad2f0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2019年8月4日 9時
