彼の正体…CM ページ44
★★★
「あ、……でもそのカレシさんが…なぜここに？」
佳奈ヌナの疑問に
「あ〜……」
言い淀む僕の隣で、浩一さんは努めて冷静に語る。
「たまたまだったんですよ。
仕事でフロントをうろついていたら例の男と一緒にやってきたAちゃんを見かけて…
その様子がちょっと怪しいな、と思ったから様子を見ていたんですよ。
ちょうどその頃ユノくんも現れたので事情を聞いて一気に突入しました」
「……仕事…で？」
「あ、ああ、はい。僕は現在このホテルの支配人代理ですので、ここが仕事場になります」
ニッコリ微笑む浩一さんに
「………え」
佳奈ヌナの目が丸くなり
「………………………えっ……！！！
工藤って…！！ひょっとしてあの工藤？？？！！」
更に開いた口が塞がらなくなっていた。
「どの工藤ですか、佳奈ヌナ…」
苦笑いの僕。と
「ええと、創業者の工藤誠一郎は父なんです」
慣れた風にそう言って笑う浩一さん。
「えええーーーーっ！！」
雄叫びをあげる佳奈ヌナは目を見張るばかりで
僕は改めて浩一さんの父上の、北海道での知名度の高さを再認識した。
「Aさんはこっちです。
まだ目覚めませんけど、側にいてあげてもらえますか？
僕にはまだやることがありますし、1人にしておくのは心配だったので」
そう言って隣の部屋へ僕達を案内してくれた。
先を進む浩一さんの後ろを
目を皿のようにして頭から足先まで
品定めをするかのように見ながらついて行った佳奈ヌナは
ベッドの上で
安らかな寝息を立てているAヌナを見た瞬間に駆け寄った。
声もなくその場に跪き
Aヌナのその頬を優しく撫でる。
そして
「………っ…」
声にならない声で泣いていた。
僕は立ったままでヌナを見る。
事情を知らなければ
それはそれは
優しい顔で寝ているヌナ。
ギリギリとはいえ
きっと、ヒョンに助けてもらったことが表情に現れているんだと思った。
お願いだから
目覚めた時にはあのゲスな男たちではなくて
ユノヒョンに助けられたことを思い出してくれますように。
襲われたことではなくて
助けられたことが
１番の思い出になりますように。
そう、思わずにはいられなかった。
★★★
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千衣(プロフ) - 清香ちゃん格好いー♪清香ちゃんだからこその台詞だね♪ (2019年6月10日 3時) (
レス) id: 831be97d67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - いなほさん» 美人に正論吐かれるともうぐうの音も出ませんね！^_^; (2019年6月9日 21時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - まいさん» 新曲も気になりますが、まずは目前に迫ったユノソロですね〜〜！！(*´ー｀*) (2019年6月9日 21時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - ゆきさん» そうそう！母は強し！！ですもんね！まぁ、実際これから大変でしょうけども…^_^; (2019年6月9日 20時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - YUNのさん» 自分が矢面に立つのも辞さない潔さ！！ここまで成長してくれるとは思ってませんでした〜〜^_^; (2019年6月9日 20時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2019年5月19日 8時
