微かな力で…YN ページ31
★★★
睨み付けると
「…ひっ…」
男は何も言わなくなった。
更にベッドに近づいて
まずはAさんに馬乗りになっている男を力一杯引きはがす。
勢いでベッドの下に転げ落ちる男。
「いっ…てぇ！何しやがる…！」
立ち上がってくる男の鳩尾に蹴りを一発入れた。
「ぐあっ……」
男は腹を抱えてうずくまる。
次に腕を拘束している男に近づき
その腕をひねり上げて
ベッドの下へと放り投げた。
「いってーーー！！…な、なんだよお前は！」
立ち上がり向かってくる男に
今度は、素早く腕を伸ばしてパンチを繰り出す。
ヒョロヒョロとした外見に違わず、軽い動きでも十分に制止できた。
ベッドの上で
弱々しい息で
涙でいっぱいの瞳で僕をみるAさん。
申し訳なくて
多分僕も泣いていたのかもしれない。
はだけたブラウスの前を合わせて抱き起こす。
「ごめんなさい、Aさん。怖い思いをさせて…
もう、大丈夫だから…」
掠れる声でそう言うと
Aさんはかすかに微笑んだ。
「…Aさん？」
いつもと違う状況に
落ち着きかけた心臓がまた跳ね上がってきた。
「Aさん？！どうしたの？！大丈夫？！」
目の焦点も合わなくなってくる。
「な、なんだ？！お前、何をしたんだ！」
Aさんを抱きしめたまま、男を見た。
男は御曹司に後ろ手に拘束されていて
「けっ…！お前ん時と一緒だよ！クスリだよ、クスリ！
ちょっと眠くなっちゃうクスリ！
お前も経験あんだろ？
あの日、お前に飲ませたのとおんなじだよ！」
「クスリ…？」
御曹司の言葉に
「そうそう！まぁ〜〜、マグロになった女相手じゃ楽しさも半減しちゃうけどな！
暴れて傷でもついたら困っちゃうし！
安全策だよ、安全策〜〜！」
そう言って高笑いをする男に
「…この……ゲス野郎……！」
こいつだけは
二度と立ち上がれないようにしてやりたい！と向かおうとした時、
「……？？！」
ぐっ…と。
Aさんが僕のシャツの裾を掴んでいるのに気がついた。
えっ…
「……だ……め
ゆ……のく……ん」
もう、目も開けられないような状態なのに
力も入らないはずなのに。
こんな目に遭っているのに……。
「……Aさん……」
目の前のAさんの姿が見えなくなる。
後から後から涙が溢れる。
たまらなくて
その身体をしっかりと抱きしめた。
こんな状況で
それでも僕を心配して
全力で止めようとする貴女。
…どうして抗える…？
★★★
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千衣(プロフ) - 清香ちゃん格好いー♪清香ちゃんだからこその台詞だね♪ (2019年6月10日 3時) (
レス) id: 831be97d67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - いなほさん» 美人に正論吐かれるともうぐうの音も出ませんね！^_^; (2019年6月9日 21時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - まいさん» 新曲も気になりますが、まずは目前に迫ったユノソロですね〜〜！！(*´ー｀*) (2019年6月9日 21時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - ゆきさん» そうそう！母は強し！！ですもんね！まぁ、実際これから大変でしょうけども…^_^; (2019年6月9日 20時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - YUNのさん» 自分が矢面に立つのも辞さない潔さ！！ここまで成長してくれるとは思ってませんでした〜〜^_^; (2019年6月9日 20時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2019年5月19日 8時
