密室 ページ27
★★★
薄暗い部屋の中
さっきまでの妹を心配する優しい兄のすがたは消えて
色のない
暗い瞳の男が目の前に立っていた。
「……あ、あの……？」
少しずつ迫ってくる男に
私も少しずつ後ずさりする。
微かなダウンライトの灯りで
男の口元が緩んでいるのが見えた。
「…本当にめでたいよねぇ、君。
真由美が言ってた通りだなぁ！」
また、大きな声でそう言ってグッと距離を縮めてくる。
「…ひっ…！」
恐怖のあまり声も出ない。
「ものすごーーく友達思いなんだってね〜〜
友達のためなら自己犠牲を厭わず、なんでもしてくれるんだってね〜〜！」
話しながらも進んでくる男。
怖くて後ずさる私。
足の力も入らなくなってきて
震えだしたのがわかった。
「…今ねぇ〜〜、その真由美が心底困ってんだよ〜〜
妊娠したお腹の子の父親が逃げ出しちゃってね〜〜？！」
……え？
「なんか、だだこねだしてぇ〜〜
変なことをいいだしてんのさぁ〜〜、だから〜〜…」
男がグッと距離を縮めてきて、私の胸ぐらを掴んだ。
「…！」
「真由美のために協力してくれるでしょ〜〜？」
そう言って
鼻先が触れるくらいの距離で、
笑っていない目で笑う。
「……ど、どういう…ことです……か？
ユ……ユノ……くんが何…か？」
恐怖で身体は震えるけど、なんとかそれだけを絞り出した。
「あーーーーー！！！それ！！！それだよ！！」
男は胸ぐらを掴んだまま、今度は身体を離す。
「ほんとーー勘弁してもらいたいんだよな〜〜！！あのユノ、ってヤツも！！
せっかく真由美と結婚できるんだからさ〜〜
大人しく腹のなかの子の父親になっとけ、ていうの！！
そうすりゃある程度の地位も手に入る、ってのによ〜〜！！
実の父親じゃなくたって一緒に暮らしてりゃ情もわくだろ〜〜？！」
大声で叫び続ける男の声が
頭の中にものすごく響いてくる。
…え？
…どういうこと？
男の言うことがいまいち飲み込めないまま
だんだんと胸のあたりがムカムカとしてきた。
恐怖なのか
この理不尽な状況への怒りなのか
身体の熱が上がってきている。
…ユノくんは…
真由美のお腹の子の父親じゃあない…の？
男の姿も
男の声も
少しずつ遠くなっていく。
★★★
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千衣(プロフ) - 清香ちゃん格好いー♪清香ちゃんだからこその台詞だね♪ (2019年6月10日 3時) (
レス) id: 831be97d67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - いなほさん» 美人に正論吐かれるともうぐうの音も出ませんね！^_^; (2019年6月9日 21時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - まいさん» 新曲も気になりますが、まずは目前に迫ったユノソロですね〜〜！！(*´ー｀*) (2019年6月9日 21時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - ゆきさん» そうそう！母は強し！！ですもんね！まぁ、実際これから大変でしょうけども…^_^; (2019年6月9日 20時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - YUNのさん» 自分が矢面に立つのも辞さない潔さ！！ここまで成長してくれるとは思ってませんでした〜〜^_^; (2019年6月9日 20時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2019年5月19日 8時
