年下の男 26 (ページ10)

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前夜…CM ページ10

★★★

真っ直ぐなヒョンにとってはあまり気の乗らない作戦だったみたいだけど

僕も大概腹が立ちすぎていたから

小林さんの作戦には二つ返事でのった。

目には目を。

問題は僕の演技力だけど

絶対に成功させてみせる…！

水曜日。

ヒョンが彼女にラインで誘いをかけ、OKを貰ったと返事が来た。

店は予約済みだったからキャンセルにならずに済んだ。

普段、適当な格好しかしていないから着る物に困り、

すると斉藤くんが寮生に声をかけてくれて、
色んな学生がレンタルさせてくれて、
コーディネートもしてくれて、

とりあえず

ホテルのイタリアンバルに入るのに相応しいスタイルにはなった。

ネイビーの細身のスーツに
ベージュのピンストライプのシャツ。

靴まで借りた。焦げ茶のレザーシューズだ。

着替えて写メを撮り、仕事をしているヒョンに送ったら

サムズアップのアップの絵文字が送られてきた。

〝そんなスーツもってたの？！〟

そんな言葉とともに。

〝一世一代、彼女にアタックするための勝負服！をテーマにしたらこんなアイテムが揃いました〟

寮生もたいがいヒマ人だなぁ、と思うとともに

深い理由を聞かずとも手を貸してくれる事をありがたいと思った。

斉藤くんは他にも、小林さんに頼まれた作業をこなしてくれて。

「忙しいのにすみませんね」

借りたスーツをハンガーにかけてブラッシングしている僕の横で

斉藤くんはレザーシューズを磨いてくれている。

「いいんです！話を聞いて僕も腹が立ってますから！
こんなのが横行して良いわけないです！
しかも、僕の好きな世界をこんな事で使わられるのは本当に悔しいですから！」

普段は温厚な斉藤くんでさえ、

他人事なのに

ヒョンのために怒ってくれて

そして協力してくれている。

助けたいんだ。

ただ、ヒョンを。

真っ直ぐなヒョンを。

ヒョンの気持ちを。

★★★

いつも読んでいただきありがとうございます。
m(_ _)m

私のこだわりとして、お話はヒロインとユノサイドのみで進めてきましたが、

ここからはチャンミンの行動なので
チャンミンサイドで進ませていただきます。

m(_ _)m