年下の男 26 (ページ24)

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腹が立つ…CM ページ24

★★★

「…アルコール、弱いんですね、真由美さん」

僕の言葉に

「え？あ…そうでもないんだけど……
最近控えてたから…」

そうだよな。
妊婦なんだから。

「あ、そうだったんですか？体調不良とか…？
すすめちゃって悪いことしましたか？」

「…ううん。
ドタキャンにすこし頭にきてたから…1杯くらいはいいかな、って思って。
だからチャンミンくんは気にしないで」

「じゃあ…やっぱり2杯目はおススメしない方が良いですか？」

「…うん。そうね、やめておくわ。普通にお水で十分よ。
チャンミンくんは飲めるのね？
私に気にせずどんどん飲んで！」

そう言って手のひらを差し出す彼女。

…ふぅん。
一応、お腹の子のこと考えてるんだ。

そんな事を思った。

出来れば少し酔ってくれるとありがたかったけど

そう言う事情ではこれ以上は無理だ。

…さて。

僕にどこまでできるかわからないけど

やってみますか。

じゃあ、お言葉に甘えて…と断り、ウエイターにビールをお願いする。

「今日で彼女を忘れます！
せっかく目の前にこんな綺麗なお姉さんがいるんだし、記念日のディナーをドタキャンするような女、こちらから願いさげですよ！」

彼女に向かってそう言って、口を真一文字に結ぶと

「ええ？記念日だったの？
それはひどいわ！そんな彼女はあなたからふっちゃいなさい！」

「ですよね？
酷いですよね？」

細かい設定を斉藤くんと練っていたから
それに沿って受け答えをしていく。

「どんな記念日だったの？」

「…付き合って１年です」

「ええっ？！そんな大切な日に？！」

「そうなんですよぉ。酷くないですか？
バイトしてお金貯めて…なんとかここのコースを予約したのに…」

なんて。
ここの払いはもちろんユノヒョンだ。

まあ…おかわりしているビール代は自分で出しますけど。

「それは…ショックよね…」

「しかも、約束過ぎてからのドタキャンですよ？！
特に理由もなくて、ごめん、行けない…って…」

「…まあ…」

勢い、グラスを一気に傾ける。

「…せめて入る前に連絡くれれば…
店の中で待ちぼうけになる事もなかったのに…」

「…わかるわ！」

彼女が

僕を見て大きく頷いた。

「私も同じよ！
どうせギリギリまで残業してるならもう少し早めに連絡くれれば良いのに…！
そしたら私だってこんな…店内でドタキャンされて……一人で帰るなんて恥ずかしい目に合わなくて済んだのに…」

★★★