年下の男 26 (ページ19)

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個室…YN ページ19

★★★

「…清香…お前、キャラ変わったなあ…」

隣に座る竹下さんをまじまじと見ながら、少し面白そうに小林さんがそう言った。

「…………」

無言になる竹下さんに更に続ける。

「…あれ以来だよな？
お前が藤枝にがっつり怒られてから…」

あ。そう言えばそんなことがあったっけ…

たしかにあれ以来、竹下さんは少し変わってきた。

「今は私のことはいいでしょう？本題からズレてます！
とにかく先ずはオーダーでしょう！」

竹下さんはそう言うと、手を差し出してウエイターからメニューを受け取った。

そうだった。

とりあえず早くオーダーして、ウェイターさんには退室願わないと。

そのための個室。

そうしないとパソコンを出すわけにもいかず
現段階のチャンミンと彼女の様子がさっぱりわからない。

小林さんが何やら耳元を指指して斉藤くんを見る。

僕の隣の斉藤くんはそれに答えてこくこくと頷いた。

その上で僕には

「今のところ、順調ですから」

隣にいる近さから、更に少し身体を近づけて小声で教えてくれた。

戸口から死角になる左耳につけたイヤホンをチラリと見せて。

なるほど。音声チェックはしていたのか。

メニューを渡されるも、食欲が湧かず食指が動かない。

すると

「ひとまず皆ビールで。
それからこれと、これと、これと……それからこれ。それとこれ」

あっという間に早口でオーダーをしてしまった竹下さん。

目が点になる僕たちをくるりと見回して

「どうせ食欲ないとか言うんでしょうけど、食べないと戦闘態勢にすら入れませんからね！！
とりあえず適当に頼みました！遅れた分、あんまり食べる余裕もないでしょう」」

そう言って腕を組んだ。

「…あ、ああまあな…」
「ぼ、僕も異存はありません！」

「ぼ、僕も…」

なんとなく居住まいを正してしまう、そんな威圧感すら感じられる。

美人が怒ると迫力ありますね、と

斉藤くんがこっそり僕に囁いた。

★★★