年下の男 26 (ページ17)

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竹下さんの読み…YN ページ17

★★★

予定外の仕事が入って、検討した結果をメールで送り、その結果を待っていた。

もし、直しが入ったらさらに遅れてしまう。

本当ならば、斉藤くんと合流してイタリアンバルで待機するはずだった。

仕事を疎かにする訳にもいかず、
とにかく気だけが焦る小林さんと僕。

小林さんのおなら攻撃をかわしながら大騒ぎしていると

「…何やってるんですか…」

今度は呆れ顔の竹下さんが現れた。

「お！清香！おまえいい所に！千載一遇のチャンスだぞ！」

小林さんがそう言って竹下さんを手招きするから

慌てるのは僕。

「あっ！ちょっと小林さん！さすがにそれはやばいですってば…！」

小林さんの攻撃をかわすために離れていた僕は
慌てて竹下さんを止めようとしたけど

「…あのな」

小林さんはお尻ではなく、竹下さんに顔を寄せた。

「…おまえの見立て通りだったわ」

そばにいる僕に聞こえる程度のボリュームで竹下さんにそう言った。

……え？

目が丸くなったのは竹下さんも同じ。

「…どういうことですか」

竹下さんが、その近さのまま小林さんを見る。

小林さんはそんな竹下さんに臆することなく真っ直ぐに見て答えた。

「そのまんま。

おまえのいう通り、ある意味狂言だったってこと」

…え？

丸い目のまま、僕は小林さんと竹下さんを見る。

キョロキョロと2人を見る僕に気づいた2人が、一斉に僕を見た。

「…どういう…こと？なんの話…ですか？」

すると、竹下さんは身体をもとにもどし、

腰に手を当て仁王立ち。

「……やっぱり！そんなことだと思いましたよ」

そう言って大きくため息をついた。

さっぱりわからなくてやっぱり2人を見る。

困惑した僕を見るのが面白いのか、小林さんがニヤリと笑った。

「清香はさ、こないだ言ってたの。
あの女の話は狂言で、おまえは罠にはめられてるんじゃないか、って」

「…えっ……どうして…」

思わず竹下さんをまじと見る。

すかさず小林さんが椅子毎滑ってきて

「自分の経験談からピンときたらしいぞ」

ポツリ、とつぶやいた。

「…え」
「言っときますけど！！多少盛ったりする事はありますけど！そこまで姑息な手段は取った事はないですからね！！」

驚く僕が更にびっくりするくらい、
竹下さんは至近距離で声を荒げた。

★★★