年下の男 26 (ページ16)

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残業…YN ページ16

★★★

「うう～～っ！！小林さんっ！もう7時になりましたっ！！まだ無理ですかっ！！」

「ちょっと待て！俺だって内心はすっげー焦ってんだよ！」

「ああ～～っ！！！どうしたら良いんだあぁ！！落ち着かない～～！！」

大の男が2人、落ち着きなく大きな図面を目の前にバタバタしていたら

「……何やってるんですか、2人とも…」

Aさんが呆れた顔してやってきた。

「おっ…！！A！良いところに来た！！」

小林さんがそう言ってAさんを手招くから

何やら資料を持ったAさんが近づいてくる。

「？」

Aさんが

不思議な表情で小林さんに顔を寄せた時、

ブフォッ…と。

「……！！」
「！！？」

その音にAさんも僕も目が丸くなった。

「もおーーーーっ！！信じられないっっ！！」

持っていた資料で周りをバタバタとあおぎながら、
Aさんはそそくさとブースへ戻って行ってしまった。

「.こ、小林さんっ！！せっかくの貴重な時間になにをしてくれてるんですか！！」

「なんだよ、貴重な時間って。
生理現象なんだから仕方ないだろ」

口を尖らせる小林さんにグッと近づく。

「…Aさんと近い空間にいられる貴重な時間、ってことですよ！！」

耳元でコソッと言った。

「なーにを姑息な事を考えているかね！！君は！！
ついこの間まではこの世の終わり～！みたいな顔してたくせに！」

小林さんがそう言いながら僕の頭をグリグリと小突いてくる。

何気に痛い。

痛い、けど。

こんなやり取りが心底嬉しかった。

「どれ、お前にもひとつ、お見舞いしてやるか？！Aとお揃いだ！」

そう言ってコシを浮かせて僕に向かってくるから

手足を伸ばして必死に阻止する。

「やめてくださいよ！結構です！」
「遠慮なんてすんな～！ほれほれ～！」

小林さんも僕も

ある意味緊張しすぎて

テンションがおかしなことになっていた。

★★★