年下の男 26 (ページ11)

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決戦は木曜日…CM ページ11

★★★

決戦の木曜日。

最終講義を受講したあと、昨夜のうちに斉藤くんが準備した機材を入れたバッグを車に積み込む。

「すみません。助かります」

車の主は小林さんの後輩で、うちの寮のヌシと言われている人物。

「なぁ～に。コバ先輩の可愛い後輩は俺の後輩とも言えるからな！手伝えることは手伝うさ！」

久しぶりの再会を果たした2人は、
特に詳しく語るわけではなかったけど

帰りがけに「何か困りごとなら相談にのりますよ？」と声をかけられ、

車があると言う事で、送迎をしてもらえる事になった。

「あっ！チャミさん、これからですか！！
行ってらしゃい！健闘を祈ってます！」

スーツ姿に着替えた僕に気づいた1人がそう、声をかけてくれたから

「おおー！頑張れよ！シム！」
「チャミさんになびかない女はいませんよ！自信持って！」
「フレー！フレー！チャミさん！」

いつのまにか、玄関は見送の人でちょっとした人だかりになっていた。

「…あーー………えー……と…？」

皆が期待の目で僕を見る。

「…皆、チャミさんの恋の成就を願ってるんですよ」

こっそりと斉藤くんが耳打ちしてくれた。

「大丈夫ですよ～！」
「決まってますよ、チャミさん！」
「チャミさんに堕ちない男はいません！」
「やだ、部長、願望が口に出てますよ！」
「あっ、やだわ～！ついつい！」

…あ。

僕、告白する程だったっけ。

「…あ、ありがとう。行ってきます…！」

「いってらっしゃーーい！」
「ファイティーーン！！」

ありがたいが、

うるさい声援を背に、玄関を出た。

★★★