年下の男 26 (ページ38)

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男の力…CM ページ38

★★★

僕の言葉に反論する事すら出来ずに

女がその首を垂れたまま動かなくなった。

……これで終わるとは思えない。

相手の男に力がありすぎる。

さあ。

なんて返してくる…？

女の姿を目に捉えながら

僕はゆっくりとソファに腰掛けた。

やがて女は

ゆっくりと頭をあげて笑い出す。

「…フッ………ふふっ……」

「………」

女の様子をただ、見ていた。

「ははっ……！なんのことを言ってるのかわからないわね！

あの日確かにユノくんと私は一晩を過ごして、そして妊娠したの！

ユノくんだって納得したから私と結婚しようとしてくれてるのよ？！

元データがどうとか、なんの話をしているのか全く見当がつかないわね！

新聞社に送りつけるとか、SNSで拡散するとか、好きにするといいわ！

そんなことをしたら、あなたの大切なヒョンも傷つく事になるだけだと思うけど…！」

女は

勝ち誇ったように目をギラつかせてそう叫んだ。

「…………」

…ヒョン。

無理だ、この女は。

正常な判断ができていない。

こんな女と貴方を一緒にすることは絶対に出来ない…！

鬼のような女を前にそんなことを思っていたら

『…相手の男がすべてもみ消す事がわかってるな…』

小林さんの声が聞こえてきた。

ええ。

男にとってスキャンダルになるが

残念ながらそれをもみ消す力もある。

そんなことはわかりきっている。

だからここまで手の込んだ準備をしているんだ。

男の後ろ盾があると信じているから

どこまでも強気な女。

相手の男にとって

自分も捨て駒の一つだという事に気付かない馬鹿な女。

いや。

どこかで薄々感じているから

ヒョンに言い寄ってきたのかもしれない…

どちらにしても

……決着をつける！

★★★