年下の男 26 (ページ22)

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ドタキャン2人…CM ページ22

★★★

ヒョンからの電話を取り終えた彼女はしばらく呆然と席についたままだった。

どうする？

そのまま食事をするか？帰るか…?

隣の席に置いてあったバッグを手にしたから

僕も慌てて席を立つ。

足早に彼女に近づきつつ、大きく深呼吸。

頑張れ！シム！

「…あの…！」

意を決して声をかけると

「…え？」

ちょうど立ち上がろうとした彼女が僕を見上げた。

大きな丸い目が僕を見る。

ああ、確かに美人。

「……もしかして…お一人ですか？」

僕の言葉に更に丸くなる瞳。

「…え？あ、あの……約束してたけどドタキャンされちゃって…」

「偶然ですね、僕もなんです。
食事はコースで？」

「いいえ。来たら適当に食べたいものをオーダーしようと…」

「あ、じゃあもし良かったら…僕に付き合ってもらえませんか？
僕、コースで頼んであったので……勿体無いんですよね」

「…あら…。でも…彼女さんがヤキモチ焼かれたりしませんか？」

そう言って笑う彼女。
そんなこと微塵も思ってないだろ。

「あーー、どうでしょうね。どうせドタキャンされる程度、って事じゃないですか？」

あ、口が滑った。
彼女の眉がピクリと動いたのが見えた。

「あ、ああ～～！貴方とは事情が違いますよ、きっと。お仕事なんでしょ？彼氏」

「……ええ。残業が長引いてるって…」

「ほら。
僕らはもう最後の晩餐くらいの状況なんですよ。
ドタキャンするということは…僕とは飯も食いたくない、ってことなんでしょうね…」

少し肩を落としてみせる。

「…あら…でも約束したなら守るべきよね。
どんなことがあってもドタキャンはひどいと思うわ」

「ですよね！
というわけで、お金だけ払って帰るのももったいないんで…良かったら僕とコース料理、食べてもらえませんか？」

ヒョンに言われた通り
少し、小首を傾げて言ってみる。
(絶対断れないから！と言われていた)

「…じゃあ、お言葉に甘えて…」

ニッコリ微笑む彼女。

…よっしゃあ！！

僕はテーブルへと進みながら

心の中でガッツポーズ！

イヤホンからも

ナイスです！チャミさん！

と言う斉藤くんの声が聞こえてきた。

★★★