体育大会 37 …YN ページ9
★★★
前さんに言われた作戦を遂行しつつ、
周りに気を配ってるように見せかけて実は会場内のAさんの姿を探した。
もうすぐ試合だと言うのに
トイレだとしても遅くないか？
混んでいるのかもしれないけど
もし具合でも悪くしていたら？
どこか調子が悪そうだったAさんを思い出し
どうにも落ち着かない。
「もう少しで試合なのに…Aさん遅いですね」
隣の前さんの言葉に
「ですよね！何かあったんじゃないでしょうか！」
思わず被せ気味でそう言った。
ちょっと驚いた顔をした前さんは
「た、確かにちょっと心配なんで私探してきますね。
ユノさんはちゃんとここにいてくださいよ！」
そう言って踵を返した前さんが
アリーナを出るためダッシュし始めた時、
入り口の方から彼女が歩いて来るのが見えた。
どくん……
心臓が鳴る。
戻ってくる彼女。
居ないAさん。
嫌な予感しかしない。
前さんに動かないように言われていたけど無理だ。
駆け出して
ちょうど前さんと彼女がすれ違うタイミングで追いついた。
「あ、ひょっとしてAちゃん？」
アリーナを出ようとする前さんと僕を見て彼女が声をかけてきた。
…え。
「Aちゃんならそこで会ったから、もうすぐ来ると思うわよ？
ユノくん、準決勝、お手柔らかにね！」
彼女はそう言って
笑ってすれ違う。
…やっぱり…！
何があったか漠然と想像がついた。
Aさんを支えに行かなくちゃ…！
わかってなお、早くその姿を確認したくてダッシュする。
と、その時ちょうどAさんが入り口に姿を現した。
「Aさん！」
前さんと2人、そばに駆けつけると
Aさんが目を丸くして僕たちを見上げる。
「え？あ、ど、どうしたの？2人して」
「どうもこうも、もう試合始まりますよ、Aさん！あんまり遅いから探しにいこうとしてたとこですよ〜！」
前さんの言葉に
Aさんは腕時計を確認して目を見開いた。
「え、あ、もうそんな時間？！ごめんごめん！」
「あ、ほら、もう皆コートに整列してる！
ユノさんもAさんも急いで急いで！」
前さんに急かされるまま、
Aさんと2人ダッシュでコートに向かった。
とりあえず、
今は試合に集中しよう。
★★★
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ゆうの(プロフ) - velvetvoiceaorjさん» 珍しいところでコメントがあってびっくりしました！(笑) 嬉しい感想をありがとうございます！もう少し続きますので、よろしくお願いします！ (2020年8月20日 20時) (
レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
velvetvoiceaorj(プロフ) - これからどうなっていくのか…楽しみです！楽しいお話をありがとうございます！ (2020年8月20日 20時) (レス) id: 1e2db25431 (このIDを非表示/違反報告)
velvetvoiceaorj(プロフ) - 初めまして！読み始めてから一気に23弾まで来ました。出てるのを読み終えてから…とも思いましたがまだまだありそうだったので、感謝の気持ちをお伝えしたいと(笑)登場人物の皆が可愛くて、コバさんがいい人過ぎて…主人公に共感して嬉しかったり悲しかったりしています (2020年8月20日 20時) (レス) id: 1e2db25431 (このIDを非表示/違反報告)
motomato(プロフ) - いよいよ戦わせちゃいますか？強くなってほしいですねお互いを思い過ぎている二人だから… 息子は、ワカサギ釣りに行ってそこが−30近くあったんですって 笑笑 (2019年2月10日 13時) (レス) id: bba7275c40 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - motomatoさん» 札幌はマイナス13度で鼻の中痛くなりました。(T ^ T) 意外と風がないのでまだ、だいぶ楽ですが、寒い！！！彼女はまだまだしでかしますよ〜〜 (2019年2月10日 13時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2018年12月22日 15時
