体育大会 48 ページ20
★★★
もう、私は必要ない。
そう言われた気がした。
いや、そういう意味に違いない。
今度から気をつけます、って。
今度から気をつけます、って。
今度があるって事だよね？
そういう意味だよね？
やっぱりそういう事なんだね。
私はやっぱり
ユノくんを守れなかったんだね…。
深く落ち込んだ心は
妙に冷めてきて
冷たい涙が頬を伝い
ポタポタと足元に落ちていく。
…ごめんね。
頭に浮かぶ可愛い彼女に謝った。
私では守れなかったよ。ごめんね。
そしてやっぱり
私は真由美に敵わないんだ…
「……………」
すっかり落ちた視線と肩。
もう
顔を上げる気力も残っていない。
もう、いい。
もういいんだ。
はっきりわかったじゃない。
ユノくんにはもう私は必要ないんだよ。
もう
いい。
「…A…さん？」
私を覗き込むユノくん。
「…わかりました。戻ります」
今はそれすら鬱陶しく感じる。
もう、近づかないで欲しい。
彼の距離感をわかっているから尚更、
必要以上に寄らないで欲しい。
そうしないと
そうじゃないと自分が辛い。
ユノくんは変わっていくのに
自分が変われなくちゃ辛い…。
「Aさん？」
「…もう、ユノくんの邪魔はしませんから」
そう言ってくるりと向き直り、アリーナを目指す。
「えっ…ま、待って！Aさん！」
慌てた様子でユノくんが私の手を取った。
沸き立つ感情を抑えて
その手を跳ね除ける。
「…えっ」
「…触らないで！」
目を丸くするユノくんを見た。
真っ直ぐに。
「…ユノくんが……誰とどう付き合おうが私には関係ない…だけど…！
と、特別な人がいるなら
それ以外の人とは少し距離を置いた方が良いと思う…！
ユノくんにはその気がなくても…誤解してしまう人がいるんだから！！」
その中の1人に
自分も入っているのが本当に辛い。
「ユノくんは優しいから誰とでも分け隔てなく付き合えるんだろうけど
ユノくんに気持ちのある子たちには酷なだけだから！」
まさに自分の事だと痛感する。
こんなの逆恨みでしかないのに
いっそ嫌われてしまえれば楽かもしれない、と
頭の片隅をよぎった。
だったら…
「…ぼ、僕はそんな誰にでも良い顔をしているわけじゃないですよ…！！」
ユノくんの表情が曇る。
★★★
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ゆうの(プロフ) - velvetvoiceaorjさん» 珍しいところでコメントがあってびっくりしました！(笑) 嬉しい感想をありがとうございます！もう少し続きますので、よろしくお願いします！ (2020年8月20日 20時) (
レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
velvetvoiceaorj(プロフ) - これからどうなっていくのか…楽しみです！楽しいお話をありがとうございます！ (2020年8月20日 20時) (レス) id: 1e2db25431 (このIDを非表示/違反報告)
velvetvoiceaorj(プロフ) - 初めまして！読み始めてから一気に23弾まで来ました。出てるのを読み終えてから…とも思いましたがまだまだありそうだったので、感謝の気持ちをお伝えしたいと(笑)登場人物の皆が可愛くて、コバさんがいい人過ぎて…主人公に共感して嬉しかったり悲しかったりしています (2020年8月20日 20時) (レス) id: 1e2db25431 (このIDを非表示/違反報告)
motomato(プロフ) - いよいよ戦わせちゃいますか？強くなってほしいですねお互いを思い過ぎている二人だから… 息子は、ワカサギ釣りに行ってそこが−30近くあったんですって 笑笑 (2019年2月10日 13時) (レス) id: bba7275c40 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - motomatoさん» 札幌はマイナス13度で鼻の中痛くなりました。(T ^ T) 意外と風がないのでまだ、だいぶ楽ですが、寒い！！！彼女はまだまだしでかしますよ〜〜 (2019年2月10日 13時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2018年12月22日 15時
