体育大会 8 …YN ページ27
★★★
小林さんのとんでもない言い訳に呆れつつ、
Aさんと動けるように、と言う小林さんの真意を汲み取った僕はホクホクでそれに答える。
「Aさん!行きましょう、僕手伝いますから!」
そう言ってAさんの背中に手を添えた。
「もう〜〜!ユノくん、甘い顔してたらダメだよ?
過去、スリッパ飛ばしにこんなに神経配ってたことなんてないんだから!!」
本部席でにこやかに手を振る小林さんを一瞥し、僕を見上げて口先が尖るAさん。
「まぁまぁAさん。年長者は敬わないと…」
「あ、そうか。コバさん30代だしね!!」
「そうそう。万全の状態でスリッパ飛ばしてもらわないと!」
「そうだね!労りの気持ちは大切だもんね!」
そんな事を語りながらチラチラと小林さんを見て先へ進んでいると
「アラサーで括ればAも同じだからなぁ!!」
小林さんの悪あがきが聞こえてきて
その声を受けたAさんがくるり、と小林さんに振り向いた。
「ご心配なく〜〜!誰かさんと違ってスリッパ飛ばすのに足滑らせて尻餅ついて、尾骶骨骨折するような運動不足ではありませんから〜〜!」
「ええっ?!こ、骨折?!骨折した事あるんですか?!小林さん!」
余計なこと教えんなよー!と言う小林さんの声を背後に、Aさんはどんどん前へと進んで行く。
「あはは!
骨折は言い過ぎだけどね。なん年前だったかなぁ、思いっきり蹴りあげたら勢いで軸足滑らせて尻餅ついたの。
それはもう本当に見事なくらいに一瞬全身が宙に浮いて、
そのあとどーーん!って落ちて」
「…い、痛そう…」
「頭を打たなかったのは幸いだったけどね〜。
でも、人体の不思議なんだよユノくん」
Aさんが真顔で僕を見上げた。
「え?」
「そのあとのコバさん、痛がりながらも歩いてたんだけどね。
しばらく椅子で休んでもらってたらなんと、立ち上がれない、って」
「えっ?!痛みで?!」
「それがさ、痛みはほとんどなくなってたらしいんだけど、とにかく足腰に力が入らないって言うの!」
「ええ?」
「仕方ないから、脇を若手に支えてもらってそこから整形外科に連れて行ったら、尾骶骨にヒビ入ってるかも、って」
話をしながら、本部のはじの方で配られているお弁当を受け取る。
ギャラリー分も入っているからかなりの量だ。
僕は箱で。Aさんには残りの袋の分をお願いした。
★★★
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ゆうの(プロフ) - nononoさん» ハイタッチとか、ハグとか、男同士は簡単にするけど実際の韓国男児って、女性に対してはどうなんだろう??ユノも普通にサラリーマンだったらするのかなぁ?? (2018年12月22日 8時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - かえるさん» スタンド席の皆さんは野鳥の会よろしく、双眼鏡ガン見かも…?!コバさんは、しっかり自宅で綾音さんと練習した甲斐がありました! (2018年12月22日 8時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - のこさん» コバさんの考えはシンプルでポジティブでストレートなんで気持ちが良いですよ〜。のこさん、是非コバさん誘って人生語り合ってくだされ。 (2018年12月22日 8時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - YUNのさん» 影に隠れていても何もならない、と実感している彼女は、使えるものはなんでも使って自分の欲望を満たそうとするでしょうね。お互いが弱点だから、そこを突かれたら身動き取れなくなりますね、2人とも。しかも、ヒロインは彼女にトラウマが…。^_^; (2018年12月22日 8時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
nonono - ハグ〜(//∇//)の文字だけで、ヘラヘラしてしまふーwwwやったねー!一瞬かもしれないけど、喜びを一緒に感じて良かった! (2018年12月18日 19時) (レス) id: 399d76873f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆうの | 作者ホームページ:https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時:2018年10月27日 1時