体育大会 7 ページ26
★★
我が部は快進撃を続けていて
途中参加してきたコバさんが目を丸くしていた。
「え？勝ち進んでんの？」
壁に貼ってあるトーナメント表を見ながらそんな事を言うから
「勝ってちゃまずいんですか、コバさん」
思わず腕を組んで睨みつけた。
「…座ってらんないんじゃん〜」
そう言うアラサー男に
「残念ながらギャラリーが多すぎてコバさんの入る余地は無いと思われますから、安心して本部席にでもいてくださいな！」
そう言って、顎でくい、と人だかりを指し示す。
その中には頭一つ軽々飛び出したユノくんが居る。
「うわお、ハーレム！」
コバさんの目が更に丸くなった。
「休憩時間毎に黒山の人だかりですよ。
普段他の部の人たちは交流無いですからね。まあ、仕方ないと言うか…」
コートサイドは邪魔になるから、となるべくアリーナから離れようとはしてくれるユノくんだけど
結局出入り口付近で捕まってそこで団子になっている。
真由美のいる総務部もそれなりの戦績で試合数が多いからか
ギャラリーの中には入ってくる余裕がないみたいで
心のどこかでホッとしている自分に
ほとほと情けなくて嫌気がさしてくる。
このまま何事もなく終われば良いな。
そんな姑息な事を考えていた時、
「…おーーい！ユノーー！！」
いきなりコバさんが大声で叫んだからびっくりした。
人だかりの中のユノくんが
周りに気を使いながら駆けてくる。
「こ、小林さん、来てたんですね！」
「おう！なんだか順調に勝ってんな〜」
「おかげさまで！練習の成果ですよ！」
「ギャラリーも多いしなぁ」
ユノくんの向こう、束になっている女の子たちを見ながら言うコバさんに
「ははは…」
苦笑いのユノくん。
確かにこんなに大きな応援団がついているのはユノくんくらいだ。
初めは驚いていた周りの皆も
ユノくんの活躍を見て納得し始め、
ともすればギャラリーに男性の姿もちらほら見え始めていて。
そんな所もユノくんらしいよなぁ、なんて少し感心したりしていた。
ユノくんが一生懸命だから
周りもついつい応援したくなるんだよね。
そんな風にほっこりしていたら
お昼休憩の放送が入った。
「コバさん！お弁当取りに行って皆に配らないと！」
「え〜〜〜〜、俺午後イチスリッパ飛ばしだから脚は大事にしておかないと〜〜
ユノ、俺の代わりにAと弁当配ってくれ！」
「…はぁっ？！」
コバさんの言い草に思いっきり首が曲がった。
★
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 311人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうの(プロフ) - nononoさん» ハイタッチとか、ハグとか、男同士は簡単にするけど実際の韓国男児って、女性に対してはどうなんだろう？？ユノも普通にサラリーマンだったらするのかなぁ？？ (2018年12月22日 8時) (
レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - かえるさん» スタンド席の皆さんは野鳥の会よろしく、双眼鏡ガン見かも…？！コバさんは、しっかり自宅で綾音さんと練習した甲斐がありました！ (2018年12月22日 8時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - のこさん» コバさんの考えはシンプルでポジティブでストレートなんで気持ちが良いですよ〜。のこさん、是非コバさん誘って人生語り合ってくだされ。 (2018年12月22日 8時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - YUNのさん» 影に隠れていても何もならない、と実感している彼女は、使えるものはなんでも使って自分の欲望を満たそうとするでしょうね。お互いが弱点だから、そこを突かれたら身動き取れなくなりますね、2人とも。しかも、ヒロインは彼女にトラウマが…。^_^; (2018年12月22日 8時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
nonono - ハグ〜(//∇//)の文字だけで、ヘラヘラしてしまふーwwwやったねー！一瞬かもしれないけど、喜びを一緒に感じて良かった！ (2018年12月18日 19時) (レス) id: 399d76873f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2018年10月27日 1時
