ゆっくり… ページ36
★★★
勘の良い人だから
きっと何もかもお見通しなんだろうと思う。
その上で浩一さんは
何も言わずに当たり障りのない範囲で会話を続けてくれる。
おかげで鉛を飲み込んだような私の重たい気持ちも
少しずつ浮上していった。
でも
レディファーストな浩一さんの行動にいちいちユノくんを思い出してしまう。
その度に心の中で苦笑いして
無理矢理な笑顔を作った。
笑顔を作ることが大切だ。
そのうち、それが本当の笑顔になる日がきっとくる。
そう信じて
笑顔で浩一さんを見た。
★
自宅近くの居酒屋に寄って夕食を食べて
家まで送ってもらう。
すると、途中の公園の横に浩一さんが車を停めた。
「…？」
あと少しで家なのに…と。
疑問に思って浩一さんを見ると
浩一さんも真っ直ぐに私を見た。
「…Aちゃん…」
静かに私の名を呼ぶ。
ユノくんよりも更に低くて、落ち着いた声。
「…無理は…しなくていいからね…？…」
「…え？」
優しい声色で浩一さんが続けた。
「…辛いなら辛い顔していいよ？
泣きたいなら泣いていいし。俺の前では無理に良い顔しなくていいから。
今の俺は少しでもAちゃんの力になりたいと思うし、
その上でついでに俺の事を好きになってもらえたらラッキーだな、くらいのスタンスでいるから…」
そんな風に
少しお茶目に言ってくれる。
思わず私も笑みが漏れた。
「…うん。
そんな風に無理のない表情でいいんだよ？
…無理強いするつもりもないし。
だから、
安心してゆっくり向かっておいで？」
そう言って
とても優しい笑顔を向けてくれた。
その優しい瞳に
胸の奥からこみ上がる気持ち。
一人では乗り越えられそうにない痛みを
分かち合ってくれると言う。
自分では決着のつけられない私の
情けない気持ちを…。
ゆっくりと向かっていけば…
いつかは浩一さんでいっぱいになるのかな…？
なって……くれるかな…。
….浩一さんの表情がぼやけて見えなくなってくる。
浩一さんは
私の頭をポンポン…と軽く叩いて、
そのまま静かに引き寄せて
優しく抱きしめてくれた。
「…ゆっくりでいいよ…」
耳元に優しい声。
まるでおまじないのように
心が少しずつ落ち着いてきた。
★★★
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ゆうの(プロフ) - misuzuさん» 気に入っていただけると良いんですけども…^_^; (2018年7月13日 15時) (
レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
misuzu(プロフ) - ゆうのさん» ゆうの様、ありがとうございました。コミュに返信しました。年下の恋人覗けます。楽しみです。 (2018年7月12日 16時) (携帯から) (レス) id: da5ced1827 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - misuzuさん» お声がけありがとうございます(*^^*) メッセージしましたので確認してみてください！ (2018年7月12日 15時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - nononoさん» nononoさんが一番のりですね！ (2018年7月12日 15時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - のこさん» のこさん、M限定の人生相談ですね…！もれなく、毎日のように様子を伺いにくるユノにも会えそうだ…！ (2018年7月12日 15時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2018年1月18日 12時
