デート 37 ページ44
★★★
ユノくんにシートベルトを付けてもらって固まってしまった。
我に返ってようやく動き出し、
多少ぎこちない動きではあるものの、なんとか車を発進させて定食屋を目指す。
運転に意識を持っていく事で
とんでもないスピードで刻まれていた鼓動が少しずつ落ち着いてきた。
…はずだったのに。
左折のために左側を確認した時、
ユノくんの視線がしっかりと私に向いていることに気づいて
…えっ…？！
せっかく落ち着きかけていた心臓がまた、大きく跳ね上がった。
…ええっ？！な、なんでそんなに見られてるの？！
心の中で
思い切りバタついている私の心情に気づいていないらしいユノくんの視線は
明らかに私に向け続けられているのが、鈍い私でもさすがに分かるほどで
ハンドルを握る手に変な汗をかき始めた。
「……Aさん」
ユノくんの落ち着いた低音ボイスにドキッとする。
「…な……なんですか？」
運転する先を見据えながら、私も極力落ち着いた声で返す。
「……どうして…今日はメイクしてるんですか？」
直球が飛んできた。
「…えっ………、あ、……あの………」
いきなりの豪速球に、返す答えが見つからない。
「…あ…あの……その……」
言い淀む私に向けての
刺さるようなユノくんの視線は変わらない。
「……ひょっとして………」
言葉の繋がらない私に対し、ユノくんが言葉を繋いだ。
「……デート…だから？」
「……え？」
思わぬ言葉に目が丸くなる。
「デート中だから…メイク…してくれたんですか？」
ユノくんの優しい声に、思わずチラリとその姿を盗み見る。
ユノくんは
真っ直ぐ私を見て微笑んでくれていた。
「………」
その表情に
一気に気持ちが温かくなる。
…ああ、
こんなことくらいでそんな風に喜んでくれるんだね…
そう思って胸の奥に温かさに浸っていたら、
「まぁ、僕はすっぴんAさんにも慣れてるし、好きですけどね。
でもやっぱりデートで可愛くしてくれているのは嬉しいですね！」
ユノくんはニッコリ笑ってそう言った。
「…………」
何気ない風情のユノくんの笑顔に騙されそうになった私は
とんでもないフレーズが含まれていたことに、一瞬遅れて気がついた。
……いま、なんと？？
★★★
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haru(プロフ) - ゆうのさま、ささくれた心が癒されます(ノ_＜。)。いつも素敵なお話を読ませて頂きありがとうございます。 (2018年1月25日 23時) (
レス) id: 4f4c2e64e3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - haruさん» ご丁寧なコメントありがとうございます(*^^*) お話が何かのお役に立っているとすれば、こんな嬉しい事はありません。これからもよろしくお願いします(*^^*) (2018年1月25日 23時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
haru(プロフ) - ゆうのさま、ささくれた心が癒されます。(ノ_＜。)いつも素敵なお話を読ませて頂きありがとうございます (2018年1月25日 23時) (レス) id: 4f4c2e64e3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - yknowchanminさん» もう少しだけデートモードは続きます！！嵐の前の静けさ、大きな山の前の平原のような今、幸せな時間を過ごしてもらいましょう〜！ (2018年1月18日 20時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - かえるさん» ユノくんにリードされたらホイホイついていくしかないですよね！^_^; (2018年1月18日 20時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2017年11月1日 23時
