海水浴 57 ページ5
★★★
自家用車駐車場を抜ける頃にはもう、見えていた。
バスの後ろ姿が。
「ああ〜！うそ…！」
バスの中で、「良いから良いから、出発進行〜〜！！」とか言って意気揚々と片手を挙げるコバさんが眼に浮かぶ…。
「あ〜〜……行っちゃいましたねぇ」
背後のユノくんが呑気な声を出す。
「行っちゃいましたねぇ、ってユノくん、呑気な…！」
半分呆れ気味に振り返ってユノくんを見上げた時に気がついた。
彼の腕を取っていた事に。
その近さにびっくりして、慌てて手を離す。
「あ、あ、ごめんっ……」
「……もう僕は足がありません。
Aさん、乗せて帰ってくださいね？」
そう言って小首を傾げるその様は
…可愛い…。
いやいやいやいや！そうじゃ無いでしょう！
自分自身にツッコミを入れる。
「乗せてっ…て…」
こうなったら乗せて帰らない訳にはいかないじゃない…
途方に暮れていると、携帯が鳴った。
…コバさん…！
「…はい」
『お！このラッキー娘！！』
脳天気なこのおじさんは…一体何がしたいんだ…？
「…コバさん、大きな忘れ物がありますけど」
『え？忘れもんじゃねーぞ？お、く、り、も、の！』
…なんなんだ。そのお、も、て、な、し、みたいな…
「どうしろって言うんですか〜？」
『どうもこうも、やっただろ？デート券』
「でっ……！！」
『考えたけど、俺一応既婚者だし』
「……デートする気あったんですか…」
『え〜〜、だってアレ絶対なんだろ？』
「あ、、そうか」
『だからこっそり持ち帰って、んで、今日一日頑張ったお前にご褒美やろうと思ったわけよ！
くぅ〜〜っ！俺って優しいなぁ〜〜っ！！』
……自画自賛なコバさんだけど
「…ご褒美はありがたいですけど、それがなぜ今のデート券になるんですか…」
いきなりの海でユノくんとのツーショットを設定されたって
それはすでに公開処刑みたいなもんなんですけど…。
『あ、札幌戻ってからの方が良かった？それならそれでさっさと帰ってきてこっちでデートしてくれていいけど？』
「そーゆー問題じゃありませんっ！」
まったく！どこまでも食えないおじさんだ！
スマホ画面に向かって文句をつける私を見て、ユノくんの目が丸くなった。
と、同時に
『おーーい！ユノーー！』
スマホから大きな声が響いた。
★★★
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haru(プロフ) - ゆうのさま、ささくれた心が癒されます(ノ_＜。)。いつも素敵なお話を読ませて頂きありがとうございます。 (2018年1月25日 23時) (
レス) id: 4f4c2e64e3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - haruさん» ご丁寧なコメントありがとうございます(*^^*) お話が何かのお役に立っているとすれば、こんな嬉しい事はありません。これからもよろしくお願いします(*^^*) (2018年1月25日 23時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
haru(プロフ) - ゆうのさま、ささくれた心が癒されます。(ノ_＜。)いつも素敵なお話を読ませて頂きありがとうございます (2018年1月25日 23時) (レス) id: 4f4c2e64e3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - yknowchanminさん» もう少しだけデートモードは続きます！！嵐の前の静けさ、大きな山の前の平原のような今、幸せな時間を過ごしてもらいましょう〜！ (2018年1月18日 20時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - かえるさん» ユノくんにリードされたらホイホイついていくしかないですよね！^_^; (2018年1月18日 20時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2017年11月1日 23時
