デート 22…YN ページ28
★★★
せっかくAさんが勇気を出してくれたのに
珍しく波と砂の動きに足を取られてしまって、勢い2人で沈んでしまった。
しっかりと僕の腕を掴んでいたAさんの腕が離れたからものすごく慌てて
深い場所でもないけれど
もともと怖がっていたAさんだから
きっと、僕の考える以上の恐怖感があるはず。
海の中でもがくAさんの身体を捉え、その腕を掴んで海上へ引き上げた。
身体を震わせながら、咳き込みながら、呼吸を整えようとするAさんの必死な姿に
ただただ申し訳なくて
安心して欲しくてしっかりと抱きしめる。
そのまま
Aさんの身体を支えながら岸へと戻った。
波の影響を受けない辺りまで来た時に、ダッシュでタオルを取りに行き、Aさんの身体を包み込む。
自分の身体を抱きしめて震えているAさんが痛々しくて
そのまましっかりと抱きしめた。
「…ごめん。
……本当に…ごめんなさい……」
それしか言えなくて。
散々大丈夫、とか言っていてこの有様はなんだ？
せっかくのAさんの勇気を台無しにしてしまった…。
ただただ震えるAさんが辛くて
抱きしめる腕の力を緩めることができない…。
ややしばらく黙って抱きしめられたままのAさんが
やがて少しずつ、その硬直する身体から力が抜け始めて
僕の身体にぴったりと寄り添うまでになった。
そして
「……ノくん…」
「……はい？」
Aさんの声にホッとする。
「…驚かせて…ごめんね…？も……大丈夫だから…」
こんな時でも僕を気遣う貴方。
抱きしめる腕に更に力がこもる。
「……ごめんなさい…。僕が大丈夫って言ったのに…」
胸元にしまい込むように抱きしめたAさんの頭上から声をかけた。
「……うん…。怖かった……」
ズキン、と胸が痛む。
「…でも、助けてもらえたから…大丈夫だよ…？」
「…え？」
「…私ね…子供の頃に溺れかけた事があって…それ以来ダメだったの、海。
プールはなんとか入れるんだけどね」
そう言って
少しずつ顔を上げていく。
★★★
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haru(プロフ) - ゆうのさま、ささくれた心が癒されます(ノ_＜。)。いつも素敵なお話を読ませて頂きありがとうございます。 (2018年1月25日 23時) (
レス) id: 4f4c2e64e3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - haruさん» ご丁寧なコメントありがとうございます(*^^*) お話が何かのお役に立っているとすれば、こんな嬉しい事はありません。これからもよろしくお願いします(*^^*) (2018年1月25日 23時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
haru(プロフ) - ゆうのさま、ささくれた心が癒されます。(ノ_＜。)いつも素敵なお話を読ませて頂きありがとうございます (2018年1月25日 23時) (レス) id: 4f4c2e64e3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - yknowchanminさん» もう少しだけデートモードは続きます！！嵐の前の静けさ、大きな山の前の平原のような今、幸せな時間を過ごしてもらいましょう〜！ (2018年1月18日 20時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - かえるさん» ユノくんにリードされたらホイホイついていくしかないですよね！^_^; (2018年1月18日 20時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2017年11月1日 23時
