デート 18…YN ページ24
★
泳げないから足のつかないところには行きたくないというAさんの気持ちはわかる。
でもそんなAさんに合わせた位置にいると、僕は上半身が出てしまって波に乗ることができない。
だから、それを言い訳にAさんの浮き輪につかまらせてもらう事にした。
Aさんががっつり掴んで浮いている逆側に同じ様にもたれかかる。
普段は身長差でなかなか見合うことのないAさんと、同じ位置に顔がきた。
妙にジタバタとしているから、安心して波乗りを楽しんでもらいたくて
沖を見て波を読む様に伝える。
「ほら！沖の方を見て、波を読めば楽しいんですよ！」
「な、なみ…？」
Aさんが恐る恐る…という様に僕を見る。
「…！！」
結構な至近距離のAさんの顔にドキッとしたその瞬間、
ザバァッと大波がかかって
「きゃあ〜〜っ！」
「うわっ…」
頭のてっぺんからがっつり海水を被った。
「おお〜しょっぱい！油断した！」
前髪が額に張り付いて邪魔くさくてかきあげる。
そのままAさんの様子を見た。
…ドキ…
真っ直ぐな瞳がすぐそばにあって。
想像以上の近さに心臓が早鐘を打ち始める。
落ち着かない気持ちを誤魔化す様に腕をゆっくりとAさんへと伸ばして
「…Aさんの頭にこんぶ？わかめ？のってる」
そう言って頭にのっていた海藻を取った。
すると、Aさんの目が一気に丸くなって、
その様子が可愛くてつい
「…ぷぷぷ」
笑いがこみ上げる。
「もーー！こんなのにばっかり好かれるんだからっ！」
Aさんが真っ赤な顔をしてそうやってまた、背中を向けようとするから
「ああ！Aさん！」
僕は浮き輪をぐるぐると、Aさんが真正面にくるように回す。
Aさんは赤い顔のまま、目を見開いていた。
「な、なななななに？ユノくんっ」
「波を見ますよ！」
至近距離のまま、そう言って波がやってくる方を見るようにうながす。
「え？」
「ほら、向こうからまた大きなのがきた」
沖合いから白波がこちらへ向かってその規模を膨らませながらやってくるのが見える。
「えええええっ…！！」
Aさんが困惑の表情でその波を見つめた。
「大丈夫。浮き輪だし、僕もいるし」
そう言って、浮き輪を掴むAさんの手を包み込んだ。
「絶対楽しいから！僕を信じて？」
そう言って笑うと
「………う、うん」
真っ赤な顔のまま、Aさんが僕を真っ直ぐ見て頷いた。
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haru(プロフ) - ゆうのさま、ささくれた心が癒されます(ノ_＜。)。いつも素敵なお話を読ませて頂きありがとうございます。 (2018年1月25日 23時) (
レス) id: 4f4c2e64e3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - haruさん» ご丁寧なコメントありがとうございます(*^^*) お話が何かのお役に立っているとすれば、こんな嬉しい事はありません。これからもよろしくお願いします(*^^*) (2018年1月25日 23時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
haru(プロフ) - ゆうのさま、ささくれた心が癒されます。(ノ_＜。)いつも素敵なお話を読ませて頂きありがとうございます (2018年1月25日 23時) (レス) id: 4f4c2e64e3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - yknowchanminさん» もう少しだけデートモードは続きます！！嵐の前の静けさ、大きな山の前の平原のような今、幸せな時間を過ごしてもらいましょう〜！ (2018年1月18日 20時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - かえるさん» ユノくんにリードされたらホイホイついていくしかないですよね！^_^; (2018年1月18日 20時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2017年11月1日 23時
