デート 9…YN ページ15
★★★
女の子が立ち去って、僕はまた一人ぼっち。
海の家をちらりと見るけど
こちらからはAさんは確認できなくて。
諦めて前を見るけど
1人で眺める海の景色がものすごく寂しいものに感じた。
大好きな海なのに…。
もともと1人は好きじゃない。
だけど大人になるにつれて少しずつ慣れてきた。
でも今、寂しいのは
隣にいて欲しい人がいないからだ。
誰かにいて欲しいわけじゃなくて
Aさんにいて欲しい。
…まだかな、Aさん…
そんな風に思って
また、海の家を見た時
逆光の中こちらにゆっくりと進んでくる人影が見えて
そのシルエットで直ぐにAさんだとわかったから
ものすごく嬉しくなった。
嬉しくなったら
思い切り顔も綻んでた。
僕が犬だったら
多分千切れんばかりに尻尾を振ってるんだろうな。
「…ご、ごめんね、遅くなって…！」
Aさんが少し小走りで戻ってきてくれる。
「いいえ！僕のせいで…って、あれ？シャツは…？」
Aさんは手ぶらだ。
「ああ、とりあえず軽く洗って干してきたの。リネンだから多分直ぐに汚れは取れるし、乾きも早いから帰るときには全く問題なく着れると思うよ」
そう言って、僕の隣に座った。
「…すみません」
申し訳なくて頭は下がるけど
でも、さっきの寂しさがウソのように一気に楽しくなった。
「ううん。私の説明が遅かったせいだもん。返ってごめんね、ラムネまみれにしちゃって…」
「いえ、Aさんに被害が無くて良かったです」
「私だって平気だよ、ラムネくらい！小さい時は何度も吹き出させてるし！」
「Aさんも？」
「もちろん！皆一度はやってるから心配しないで！」
ニッコリ笑うAさんが可愛くて
僕も笑う。
「でも、あんまり1人にしないでくださいね？
僕、1人にされると寂しくてしんじゃいますから」
半分本気で言ったんだけど
「ぷぷっ……。
ユノくんが1人になることなんてありえないでしょ！」
Aさんが口元を押さえながら軽く吹き出した。
「ええ？」
「…さっきだって見たよ…？女の子にナンパされてたじゃない」
「…ああ…！」
あれを見られてたのか…。でも、直ぐに離れてもらったし、やましいことは何もない！
「…ああいう人にいて欲しいわけじゃありませんよ。
僕にはちゃんとそばにいて欲しい人がいますから…」
そう言って、真っ直ぐAさんを見た。
★★★
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haru(プロフ) - ゆうのさま、ささくれた心が癒されます(ノ_＜。)。いつも素敵なお話を読ませて頂きありがとうございます。 (2018年1月25日 23時) (
レス) id: 4f4c2e64e3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - haruさん» ご丁寧なコメントありがとうございます(*^^*) お話が何かのお役に立っているとすれば、こんな嬉しい事はありません。これからもよろしくお願いします(*^^*) (2018年1月25日 23時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
haru(プロフ) - ゆうのさま、ささくれた心が癒されます。(ノ_＜。)いつも素敵なお話を読ませて頂きありがとうございます (2018年1月25日 23時) (レス) id: 4f4c2e64e3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - yknowchanminさん» もう少しだけデートモードは続きます！！嵐の前の静けさ、大きな山の前の平原のような今、幸せな時間を過ごしてもらいましょう〜！ (2018年1月18日 20時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - かえるさん» ユノくんにリードされたらホイホイついていくしかないですよね！^_^; (2018年1月18日 20時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2017年11月1日 23時
