デート 24…YN ページ30
★★★
強がりではない、本心の言葉に胸が熱くなる。
本当に
Aさんは強い。
しなやかなのに、強い。
半ば強引に誘った僕を気にかけてくれて。
でもきっと「入ってよかった！」と思ってくれているのも事実なんだと思う。
Aさんはそういう人だから。
「…ありがとう」
優しい言葉をかけてくれて。
僕の言葉に
「…私の方こそありがとう」
Aさんの声が聞こえる。
「……で、ね？」
くぐもる声。
「…なんですか？」
平然と答える。
「あの………そろそろ離してもらっても大丈夫だよ…？」
つむじまで真っ赤なAさん。
相当恥ずかしいらしい。
チラリと周りを見やると、さすがにビーチでがっちりと抱き合う2人は珍しいらしく
(いや、正確には抱き合ってるんではなくて僕が一方的に抱きしめてるだけだけど…)
注目を浴びているのがよくわかる。
温もりを手離すのは本当に名残惜しいけど
このままいられるわけじゃないからゆっくりとAさんから離れ、
Aさんの肩を抱きながら、パラソルの下へと向かった。
シートに座らせて、
「ちょっと待っててくださいね」
一声かけて、小銭入れを手に、海の家へとダッシュする。
「すみませ〜ん！」
「はいよ〜、って、あら、どうしたの？」
おばさんが振り向きざま笑顔を見せてくれる。
「あの、何か温かいものってありますか？
僕の不注意でAさん、溺れかけてしまって…
少しこう…落ち着くようなもの…があれば…」
僕の言葉に目を丸くしながらも
「あらあら、じゃあねぇ、ちょっと待ってね」
おばさんはキッチンの奥へと引っ込んで行った。
おばさんを待つ間
ビーチのパラソルを見る。
その影のAさんの存在を確認してほっとする。
失敗してしまったことと
でも、確かに今、2人きりでいることに
嬉しさと申し訳なさが混在して
自分でも表現できない感情が胸の中にある。
ただ一つ、はっきりと思うのは
…あの小さい背中を守りたい…
それだけだ。
★★★
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 379人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
haru(プロフ) - ゆうのさま、ささくれた心が癒されます(ノ_＜。)。いつも素敵なお話を読ませて頂きありがとうございます。 (2018年1月25日 23時) (
レス) id: 4f4c2e64e3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - haruさん» ご丁寧なコメントありがとうございます(*^^*) お話が何かのお役に立っているとすれば、こんな嬉しい事はありません。これからもよろしくお願いします(*^^*) (2018年1月25日 23時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
haru(プロフ) - ゆうのさま、ささくれた心が癒されます。(ノ_＜。)いつも素敵なお話を読ませて頂きありがとうございます (2018年1月25日 23時) (レス) id: 4f4c2e64e3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - yknowchanminさん» もう少しだけデートモードは続きます！！嵐の前の静けさ、大きな山の前の平原のような今、幸せな時間を過ごしてもらいましょう〜！ (2018年1月18日 20時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - かえるさん» ユノくんにリードされたらホイホイついていくしかないですよね！^_^; (2018年1月18日 20時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2017年11月1日 23時
