繋いだ手…YN ページ46
★★★
Aさんの肩を抱いたまま進む。
これ見よがしに。
僕が恋人のフリをお願いしたことで
聞かなくてもいい言葉をAさんに聞かせてしまった。
どうしてこうなるんだろう。
傷つけたいわけじゃないのに…。
…なのにAさんは平気な顔で
いつもは穏やかな僕が怒るのが珍しいと言って笑う。
Aさんの笑顔で僕の気持ちも一気に落ち着いた。
やっぱりAさんてすごい！
「落ち着いたらお腹すきました！」
落ち着きついでに勢いでつい、口から出た。
明日は日曜日。少しは余裕があるんじゃないかな。
もう少し一緒にいたい気持ちでそんなことを言った。
「…そうだね、差し入れも運んだし。
でも晩御飯にはまだちょっと早いから…もう少し見てからにしない？」
断られず、しかももう少し一緒に見て回れる嬉しさで顔がニヤけた。
「そうですね！晩御飯はAさんの好きなものでいいですよ？」
「私の食べたいもの…かぁ。うん。考えとく。
じゃあ、このままこの会場で見る？それともどこか別の会場に向かう？」
「じゃあ、このままここで！実はちょっと見たかったチームがこの後来るんですよ」
「おっけ〜〜！」
すっかりのどかなムードになった僕たちはまた、踊りを見るためにステージに向かった。
結構な人混みの中を進む。
何度かAさんを見失いかけた僕は、思い切ってAさんの手を取った。
「…え」
小さくAさんの驚いた声が聞こえたけど
それには気づかないフリをして先へと進む。
初めは遠慮してか、引き気味だったAさんの手は
僕が放す気がないと悟るとおとなしくなって
更に人混みにさらわれて離れてしまいそうになった時にAさんの手がぎゅっと僕の手を握り返してきたから
…僕の鼓動は一段と高まった。
繋いだ小さな手。
愛しくて思い切り握ってしまいたくなる。
ずっと離したくない。
結局
会場内で落ち着いて演舞を見ている間も僕たちの手は繋がれたままだった。
かすかに握り返してくれるAさんが嬉しくて
見たかった演舞の半分も意識に残らないくらいに
僕の心は繋がれた手に持っていかれていた。
この時の僕は
少しずつAさんの気持ちが僕に向かってきているんじゃないかと思っていたのに…
★★★
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まゆまゆ(プロフ) - パスワードありがとうございました、さっそく拝見させていただきます、これからも更新待ってます。 (2018年5月20日 17時) (
レス) id: e1b75efb57 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - かえるさん» はーい！行きますよ〜〜！ようやく御曹司現れます！あと一山越えないとユノくんの平穏は訪れないですね〜〜^_^; (2016年12月1日 16時) (レス) id: e61f1c7906 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - 新章に行くんですね(((o(*ﾟ∀ﾟ*)o))) (2016年12月1日 15時) (レス) id: c3cb7c4659 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - 思っていたのに…？こちらではまだまだ二人は(T^T)どのようにしてお付き合いが始まっていったのかドキドキです。 (2016年11月27日 15時) (レス) id: c3cb7c4659 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - shinoさん» 読んでいただきありがとうございます(*^^*) 現在クライマックスの他のお話をほぼメインに更新しているためこちらはほとんどお休み状態になっております。m(_ _)m もう少しお待ちください！パスワードはメッセージでお届けしますね！ (2016年11月15日 6時) (レス) id: e61f1c7906 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作成日時：2016年6月13日 17時
