怒り ページ44
★★★
「…なんか…ちょっと残念…」
「だって…年上だよね？」
「美優の方が似合うんじゃん？」
そんな声がちらっと聞こえる。
私は声のする方を見ることが出来なくて
ただ、ユノくんの隣で前を見て笑っていた。
次の瞬間、
ユノくんの右腕が動いて私の肩を抱き、ぐいっと引き寄せた。
「…えっ」
思いがけない動きにフリーズする。
「それじゃあ、僕たちはこれで失礼しますね！」
頭上からユノくんの声が聞こえて
肩を抱かれたまま、皆さんに頭を下げてその場を後にした。
珍しくユノくんが速足で
コンパスに圧倒的な違いのある私は必死について行く。
何気に見上げると
なんだか難しい顔をしているユノくんがいて…
(…私なんかと恋人同士に見られたりしたから…)
と、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「…ご、ごめんね、ユノくん」
「え？」
私の声にユノくんが目を丸くした。
「あ、僕こそごめんなさい！速足させちゃった…！」
慌てた様子で私の肩から手を離す。
一気に寒くなる身体を寂しく思う自分を戒めた。
「ごめんね…私が恋人になっちゃって…
皆さんの夢も壊しちゃったみたいだし…」
「…どんな夢ですか…！
大体僕が頼んだんですからね！フリしてくれ、って。
誰に何を言われてもAさんが気にすることは全く！無いですから！」
珍しくユノくんが怒ってる…。
ユノくんにも…聞こえてたんだね。
だからわざとあんな真似して私を連れ出してくれたんだ…。
今までも私の事で心配かけて叱られたことはあるけど
それ以外で怒ってるのを見たのは初めてで…。
思わず目が丸くなっていた。みたい。
「う、あ！ご、ごめんなさい！
Aさんに怒ってるわけじゃなくてですね…！」
びっくり目の私を見てユノくんが慌てた。
「あ、うん。大丈夫だよ？わかってるから…。
ただ、珍しいなぁと思って。そんな風に怒ってるユノくん。
いっつも穏やかだからさ」
珍しい状況に、申し訳なく思っていた気持ちが吹っ飛んでいた。
「…穏やか…ですか？僕…」
ユノくんが伺うように聞いてくる。
さっきの怒りは何処へやら。なんだか可愛くなっていた。
「うん。いっつもニコニコしてるじゃない。イケメン度が3割り増しくらいになってるよね！」
すっかり落ち着いた私はいつものように受け答えする。
「3割り増し、ですか！」
またユノくんの目が丸くなった。
ふふっ。そんな姿もやっぱり可愛い。
★★★
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まゆまゆ(プロフ) - パスワードありがとうございました、さっそく拝見させていただきます、これからも更新待ってます。 (2018年5月20日 17時) (
レス) id: e1b75efb57 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - かえるさん» はーい！行きますよ〜〜！ようやく御曹司現れます！あと一山越えないとユノくんの平穏は訪れないですね〜〜^_^; (2016年12月1日 16時) (レス) id: e61f1c7906 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - 新章に行くんですね(((o(*ﾟ∀ﾟ*)o))) (2016年12月1日 15時) (レス) id: c3cb7c4659 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - 思っていたのに…？こちらではまだまだ二人は(T^T)どのようにしてお付き合いが始まっていったのかドキドキです。 (2016年11月27日 15時) (レス) id: c3cb7c4659 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - shinoさん» 読んでいただきありがとうございます(*^^*) 現在クライマックスの他のお話をほぼメインに更新しているためこちらはほとんどお休み状態になっております。m(_ _)m もう少しお待ちください！パスワードはメッセージでお届けしますね！ (2016年11月15日 6時) (レス) id: e61f1c7906 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作成日時：2016年6月13日 17時
