ランチタイム ページ36
★★★
お昼時間、珍しく自分で作ったお弁当を持って屋上に出た。
気分転換がしたくて一人、ベンチに座って空を見上げる。
この時期はまだ肌寒いから屋上に来る人はほとんどいない。
ずーっと、パソコンとにらめっこの仕事だから、たまにはこういう広〜いものとか、たか〜いものとか、見たくて仕方なくなるんだ。
ひとしきり伸びた後、お弁当箱に手を伸ばし、膝の上に置いて蓋を開けると
「わ、美味しそう！」
「ひゃあっ…！」
背後から声が聞こえて飛び上がった。
背後にいたのはユノくん。
「…びっくりさせないでよぉ〜」
「ははっ！そんなに驚くとは思いませんでしたよ」
笑いながらそう言って隣に座ったユノくんの手にはサンドウィッチ。
「それ、Aさんの手作り？」
ユノくんが私のお弁当箱を覗き込む。
なんとなく恥ずかしくて蓋で隠してみたりして…
「う、うん。まあね…」
「いいなぁ、ご飯。僕のパンと交換しませんか？」
「えっ？！そ、そんなよそ様に食べさせられるようなシロモノではございませんので…」
そう言って逃げようとしていたのに
「はい！半分でいいですから！」
そう言って、サンドウィッチの半分を私の目の前に差し出した。
にっこり笑ったその顔は…
……だから反則だってば……
「…仕方ないなぁ…
味の保証はしないよ？」
そう断りをいれて、ユノくんに弁当箱を差し出した。
「やったぁ！」
嬉しそうに笑うその顔は本当に可愛くて綺麗。
「まずはやっぱり卵焼き〜…はむっ…あ、Aさんの卵焼きって甘いんだ！」
「あ、それはたまたま。基本は塩なんだけど、たまに食べたくなって作るの」
「美味しい〜！
じゃあ次はぁ…」
そんなにたくさんはない私のお弁当の中身を嬉しそうに見ながら箸をすすめるユノくん。
自分の作ったものを食べてもらうのは恥ずかしい、けど嬉しい。
「Aさん、おにぎりももらっていい？」
上目遣いで私を見る。
…絶対わかっててやってるよね…
「…どうぞ」
赤くなりながら一言いうのがやっとの私。
★★★
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 538人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうの(プロフ) - Keeさん» コメントありがとうございます(*^^*) パスワードはコミュにメッセージしますので、覗いてみてください〜(*^^*) (2017年9月23日 12時) (
レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
Kee(プロフ) - はじめまして。最近になって読み始めましたが、とても楽しく読ませていただいてます。パスのかかったセンイル企画のお話も是非読んでみたいので、パスワードを教えてください。よろしくお願いします。 (2017年9月23日 12時) (レス) id: 3b75f4b9a6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - まゆまゆさん» ユノくん最大の敵(の予定)、御曹司登場致しました！ユノくん、踏ん張りどころです！(*^^*) (2016年2月14日 7時) (レス) id: b73f13763a (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - やっぱりブッ込んで来たー！ユノくん！頑張って！ (2016年2月14日 0時) (レス) id: ed4a5e3eae (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - かえるさん» かえるさん、出ましたーー！お待たせしましたーー！ん？待ってない？？ (2016年2月13日 20時) (レス) id: b73f13763a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆうの
| 作成日時：2016年1月21日 18時
