迷い…YN ページ35
★★★
「へぇ。あの工藤誠一郎と食事ねぇ！すげーな、ユノ！」
「あ、やっぱり凄いですか？」
席が隣なのを良いことに椅子を近づけ、打ち合わせをしているかのような雰囲気でコソコソと会話する小林さんと僕。
「そりゃあなぁ、北海道だけじゃなくて関東と…それこそ韓国とかあっちの方でも事業展開してる実業家だからなぁ」
一応図面なんか見ていたりする。
「…へえ…」
やっぱりそんなに凄い人なんだ。
…そしてそんな凄い人の…
「その御曹司が心配って訳ね」
「…はい」
小林さんは一つため息をついて
「お前がそこまで心配になる何かを感じ取ったってことか…」
「…漠然としてるんですけどね。なんとなく…嫌なんです」
「ふぅん…。
奥さんに気に入られたんだもんな」
「工藤さんにもですよ」
「…んー、つくづくすげーな、A。
酔っ払った工藤誠一郎と真っ向から対峙して、その上味方につけるなんざぁ…
全く女にしとくのもったいないよなぁ」
「…女性じゃないと困ります。僕そっちじゃないので」
ぷっ、と小林さんが吹き出した。
「まぁ、お前も言う通り本人がそういう気にならないと話は進まないだろうし、
御曹司とAじゃ普通に考えて接点ないんだし、そんなに心配しなくて大丈夫じゃないか？」
「…そうは思うんですけどね…」
言葉の続かない僕を
小林さんがふっと笑って見た。
「…何があっても…
自分の気持ちを大切に真っ直ぐ向かえば…自ずと道は開けてくると思うんだよな。
相手を見誤らないように、
周りに振り回されずに、
自分のここを、信じてれば、さ」
そう言って自分の胸の中心を拳でトントンと叩く。
「…その辺は、お前は大丈夫って信じてっから、俺。
だから、大事な妹を託そう、って気になったんだからな？」
そう言って笑った。
「お前なら大丈夫！」
俯いていた僕の頭をガシガシと撫でる。
その力が強くて
「…小林さんっ！せっかくセットしてきたのに…！」
軽口をたたきながらも
泣きそうになってしまった。
でも、変化する時は確実に近づいてきていて
僕は
自分の気持ちに迷うことになる。
★★★
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ゆうの(プロフ) - Keeさん» コメントありがとうございます(*^^*) パスワードはコミュにメッセージしますので、覗いてみてください〜(*^^*) (2017年9月23日 12時) (
レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
Kee(プロフ) - はじめまして。最近になって読み始めましたが、とても楽しく読ませていただいてます。パスのかかったセンイル企画のお話も是非読んでみたいので、パスワードを教えてください。よろしくお願いします。 (2017年9月23日 12時) (レス) id: 3b75f4b9a6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - まゆまゆさん» ユノくん最大の敵(の予定)、御曹司登場致しました！ユノくん、踏ん張りどころです！(*^^*) (2016年2月14日 7時) (レス) id: b73f13763a (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - やっぱりブッ込んで来たー！ユノくん！頑張って！ (2016年2月14日 0時) (レス) id: ed4a5e3eae (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - かえるさん» かえるさん、出ましたーー！お待たせしましたーー！ん？待ってない？？ (2016年2月13日 20時) (レス) id: b73f13763a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作成日時：2016年1月21日 18時
