奥様が弱点？ ページ19
★★★
確かにあの時、ユノくんはすっかり彼氏扱いで別れたんだった。
再会するなんて思ってもいなかったから適当に話を合わせて。
「えっとですね、一緒なのは確かにあの時一緒だった彼ですけど、彼は同僚であってデートするような彼氏では、ないです！と言うことです！」
やっと、きちんと話ができて、ようやく私は落ち着いた。
「あら、男性とご一緒だったのね」
女性、奥様がちょっと寂しそうにそう言った。
「おお！そうなんだよ！これがすげーイケメンの兄ちゃんなんだよ！なに、彼氏じゃないの？彼氏じゃないとあの迫力は出ないだろう〜」
工藤さんがニヤニヤしながら私を小突く。
私の頭にいつぞやの居酒屋の光景が蘇る…。
遠い目をした私の横にいた奥様が
「あなた！お嬢さんが違う！って仰ってるんだからそれでいいでしょ！」
そう言ってご主人をたしなめた。
「おっ？お、おお…」
工藤さんは奥様には弱いみたいだな。
「ごめんなさいね、お嬢さん。
工藤から話しは聞いていたのよ？居酒屋で、自分に対して毅然と立ち向かう威勢のいい女の子が居たって。
あなたのことだったのね」
そう言って奥様がにっこり笑う。
「…お恥ずかしい限りですけど…」
「流されずにきちんと工藤と対するなんて、たいしたものよ！
私は工藤の家内で澄江と申します」
奥様、澄江さんが深々頭を下げて挨拶をしてくださるから、私も慌てて姿勢を正す。
「あ、山本Aと申します。よろしくお願いいたします！」
そう言って私も頭を下げた。
「おーい、待たせてんじゃないのか？彼氏」
周りの空気を特に読まない誰かを彷彿とさせる呑気な声で工藤さんが話しかけてくる。
「あ！そうだ！ユノくん！
あ、彼氏ではないですけどね！
じゃあ私、これで失礼します！」
一礼して部屋を後にしようと扉を開けたら、私を押し出すように工藤さんが後ろにぴったり付いていた。
「？工藤さん、お手洗いですか？」
「何言ってんの。せっかく会えたんだから挨拶の一つもしておくべさ」
「ええっ？！」
ってなんでさっきまで出てなかった北海道弁が出てくるんだ…
「さあさあ、行こう！」
そう言って私の肩を掴んでグイグイと前へ進める。
「ええ〜」
重い足を引きずるように前へ進む私。
★★★
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 538人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうの(プロフ) - Keeさん» コメントありがとうございます(*^^*) パスワードはコミュにメッセージしますので、覗いてみてください〜(*^^*) (2017年9月23日 12時) (
レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
Kee(プロフ) - はじめまして。最近になって読み始めましたが、とても楽しく読ませていただいてます。パスのかかったセンイル企画のお話も是非読んでみたいので、パスワードを教えてください。よろしくお願いします。 (2017年9月23日 12時) (レス) id: 3b75f4b9a6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - まゆまゆさん» ユノくん最大の敵(の予定)、御曹司登場致しました！ユノくん、踏ん張りどころです！(*^^*) (2016年2月14日 7時) (レス) id: b73f13763a (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - やっぱりブッ込んで来たー！ユノくん！頑張って！ (2016年2月14日 0時) (レス) id: ed4a5e3eae (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - かえるさん» かえるさん、出ましたーー！お待たせしましたーー！ん？待ってない？？ (2016年2月13日 20時) (レス) id: b73f13763a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆうの
| 作成日時：2016年1月21日 18時
