アスリート ページ10
★★★
「はぁっ…これだから直ぐにパンプス駄目になっちゃうんだよねぇ…」
足首をさすりながら、足元に目をやる私に
「速かったですね、山本さん。」
すっかり呼吸の整ったチョンくんが言う。
なんか、爽やかで悔しいんだけど…
若いし、鍛えてる(らしい)し、そもそも対等に立ち向かえる相手ではないけどさ。
「そんなことないよぉ。
さて、もうそこが大通りなんで、あとは大丈夫ですよ、チョンくん。」
大通りまではあと1丁分。
「ここまで来たら、あそこまで送ります。」
真顔のチョンくん。
「……チョンくん……意外に頑固だね……？」
「そういう山本さんも負けてないですよね？」
2人、顔を合わせてぷっ、と吹き出す。
ああ、また爽やかに笑うなぁ。
「珍しくダッシュして、今、汗がふきだしているので、このまま大通りに出たくないから、少し汗が引くまでここに居ますよ。
だからチョンくん、ありがとう。
もう大丈夫。」
そう言って私も笑ってみた。
なんだかんだ心配してくれたんだもんね。今日あったばかりの私を。
チョンくんは、くるりと向き直ってまた、ダッシュして行った。
(…挨拶くらいして帰らんかい…)
と思いつつも、スタイルの良い後ろ姿に見惚れていた。
(ほんっとーーーにスタイル良いなぁ〜)
視線を背後の大通りに向けてみる。
車がひっきりなしに横切って行く街灯も明るい道。
確かにここに来るまでは暗くて少し怖いんだよね。
今度からダッシュでここまで来ようかな。
乱れていた呼吸も落ち着いて、汗も随分ひいてきた。
喉も渇いたし、そろそろ動こうと又視線を戻したら、
目の前にチョンくんがいた。
「はい。」
手にはスポーツドリンク。
(これは…私に…？)
人差し指を自分に向けてジェスチャーで問いかけると、彼はコクンと頷いて私に手渡す。
そして、ベンチの空いてる所に腰をおろした。
また、少しだけ呼吸が荒い。
走って買ってきてくれたんだ…。
「…ありがとう。」
お礼を言って、キャップをあけようとした時、
チョンくんの手が伸びてきて、ペットボトルを持っていき、キャップをキュッ、とあけて、また私の手に戻した。
しばし、呆然。
…こんな…女の子扱いを普通にされるなんて…,
ちょっと恥ずかしくなって俯いてしまった。
★★★
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かえる(プロフ) - ただ今…読み直し中♪ユノくん気づかないだけで早々に好きになってましたね〜。ヤキモチで真顔って可愛い♪次読んできまーす♪ (2020年1月15日 0時) (
レス) id: f095ecfa37 (このIDを非表示/違反報告)
YUNの(プロフ) - 調剤薬局か、ドラッグストアーでもありますよ、さっきの３つは処方箋要るので (2019年4月30日 22時) (レス) id: 92e00ad2f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作成日時：2014年6月5日 21時
