昔話6…CM ページ15
✴✴✴
それからの僕は
まるでめちゃくちゃだった。
もともとやる気のなかった僕の唯一の拠り所だった母が亡くなり、
あまつさえ
ずっと秘書として側にいた彼女を母の一周忌の前に再婚相手として紹介するような薄情な父の行動で
僕は
人間不審になっていく。
声をあげられれば良かったのかもしれないけど
その頃の僕はもう、すっかり色々な事を諦めてしまっていて
声のあげ方すらよくわからなくなっていたんだ。
何をどう考えてもよくわからなくて
どう考えれば良いのかもわからなくて
以前より以上に
僕は淡々と毎日を送っていた。
ある日ふと、
寝室の窓際に置いてあった鉢植えの花が咲いたのに気づいた。
……こんな花、置いてあったっけ……？
寝起きのパジャマのまま、花に近づきその姿を眺めていると
ノックの音が聞こえてユリが入ってきた。
「おはようございます！チャンミンさま！」
「…ノックしても、僕が返事をする前に入ってくるんじゃノックの意味がないだろう？」
ため息をつく僕にお構いなしにユリは近づいてくる。
まあ、いつものことだけど。
「あっ！やっと咲いたんですね！」
僕の上から鉢植えの見て、嬉しそうな声を上げる。
「……ユリ？この花置いたの」
見上げて言うと
「置いたのは確かに私ですけど、頼まれただけです。
その花をチャンミンさまに届けたかったのは奥様ですよ」
ユリは僕を見下ろして優しく笑った。
「…え？母さんが？」
「花が咲くのを心待ちにされてたんですけどね…。
やっと咲いたんですね」
ユリにそう言われ
僕は改めて花を見る。
「これ…なんていう花？」
「ガーベラですよ。奥様の一番好きだった花です」
ユリがそう言って笑った。
花を育てるのが好きだった母。
その傍にいつも居たのに
僕は母の一番好きな花すら知らなかった。
形だけは側にいたけど
心まで寄り添ってはいなかったんじゃないか…。
料理は一緒にしたけれど
花の世話も一緒にしたけれど
でも僕の頭の中には花の名前も種類も入っていない…。
こんな僕と一緒にいて
母は本当に幸せだったんだろうか…
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ゆうの(プロフ) - すぐりさん» 怒涛の読破、ありがとうございます笑 ユノペンから見た、チャンミン像でございます。違和感なければ嬉しいです。(*^^*) (2021年11月24日 19時) (
レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - りんごさん» うわぁ〜！りんごさん！ご無沙汰です！ごめんなさい、お返事してなくて〜！(＞人＜;)読んでいただき、ありがとうございます！ (2021年11月24日 19時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
すぐり(プロフ) - 苺ｼﾘｰｽﾞ ようやっと読み進めておりまして…何でだろ…今のところ ゆうのｻﾝの作品で出てくるﾁｬﾝﾐﾝ…全部好きなんですけどぉ（T^T）あーーーー…やっぱ私はﾁｬﾐﾍﾟﾝだったーーと再確認して…更新待ちの栞を挟みます♪ (2021年11月24日 15時) (レス) @page41 id: 2b78457879 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 苺とチョコシリーズ、読ませて頂きました^^*とっても面白いです！こちらもいつか更新されるの楽しみにしておりまーす＼(^^)／ (2020年2月3日 21時) (レス) id: 468b4d31bd (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - ｻﾏﾕｶさん» これ以上に進んでないのはチャラユノ話なんですよねぇ…^_^; いつもいつも、ありがとうございます。m(_ _)m 励みになります！ (2019年8月29日 16時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2016年6月24日 21時
