映画の話 ページ30
☆☆☆
「読んだことある？この本」
それはひと昔前に出版された本で、爆発的に売れた訳ではないけれど
一部の読書家の間では時々話題に上る本だった。
「あ、はい。読みました」
もともと読書は嫌いではなかったけど、この仕事を始めてからは辻さんに本をたくさん読むように言われて、今でも少なくとも1週間に1冊は読むように心がけている。
この本は、ちょうど私がこの世界に足を踏み入れた頃に一度読んでいた。
大戦時の日韓の話で、主人公は、韓国人の女性と、日韓ハーフの女性。
戦時下での2人の数奇な運命を記した1冊だった。
「…これ…の…？」
思わず本を手に取り、辻さんを見た。
すると、辻さんはコクリと頷く。
「これを日韓合作で映画化するにあたり、日韓ハーフの役でオファーが来てるんだ」
日韓合作…。
そんな大作に…？
「国際デビューの貴重なオファーなんだけど…条件が少々キツいんだ。
先ず、韓国語をマスターしなくてはならない。少なくとも台詞は完璧に出来なくてはいけない。
戦時下での話ということで、体重を落とすことは必須。
それに加えて撮影期間が結構長くて…
この映画を撮っているとおそらく半年…下手をすると1年くらい…他の仕事は出来なくなる可能性がある」
「…そんなに…？」
映画の撮影期間が長くなる話は聞くことはあるけど
他の仕事が出来ないなんてこともあるのか…
「ビジュアルの問題だな。映画のビジュアルを保つためにはおそらく他の仕事を入れる余裕はなくなるんじゃないか、と…。
なんせちょっとガリガリくらいがご希望だから…,そんな姿で他のドラマとかCMとかできると思うか？」
確かに、主人公のハーフの女性はずっと虐げられるから風貌は少々貧相な感じが想像される。
そんなビジュアルで他のドラマとかの需要はないか…。
本を手に考え込む私に、辻さんが落ち着いた口調で
「話も魅力的だしどちらを取っても文句なしのオファーだから、あとはAの気持ち次第だ。
どちらをやってみたいか」
そう言った。
「事務所としてはどっちでもオッケーだからね〜〜。
Aちゃんの決めた仕事を全力でサポートするから心配しないで〜〜」
社長にもそう言ってもらい
「僕的にも、どちらも魅力的だと思うから、どっち選んでも損はない！」
森口さんの言葉も受けて、しばし考える。
☆☆☆
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ゆうの(プロフ) - のこさん» のこさん、これ、ほぼ実話で…私もテレビの前で号泣だったの… (2017年9月13日 17時) (
レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
のこ(プロフ) - すみません…泣いてしまいました… (2017年9月13日 17時) (レス) id: dc74efdda5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - motomatoさん» 向こうとこっちで皆さんアカウント名が違うので誰が誰やら…^_^; 昭和仲間が増えて嬉しいです！ (2017年9月10日 13時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
motomato(プロフ) - ツイッターも楽しみにしています^ ^今、フォローさせていただいちゃいました(^^) (2017年9月10日 13時) (レス) id: e15e9863b2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - ポッポさん» ありがとうございます〜(*^^*) 精進してどちらも進めていきたいと思います！よろしくお願いします！m(_ _)m (2017年9月10日 6時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作成日時：2017年2月24日 19時
