優しい気持ち ページ49
☆
「…そうだったの。
長い人生色々あるからね。
でも最後には帳尻が合うって言うんだから、辛い思いの分はきっと良いことがたくさんあるわよ！」
りんさんの言葉に
「だといいですけど」
そういって笑ってみせると
りんさんも優しい笑顔で
「亡くなった彼も…
その代償にきっと、ずっと幸せだったと思うわよ？Aさんと一緒にいることができて」
そう言ってくれた。
そうだといいな。
廉の最期の瞬間
少しでも幸せな思い出を思い描いて逝けていたらいいな…
「…ああ、ごめんね」
りんさんが、いつの間にか流れていた私の涙を優しく拭ってくれた。
「じゃあ、久々の再会に
とびきりのAさんで会いに行かなきゃね」
そう言って。
りんさんの手はとても気持ちが良かった。
柔らかに肌の上を滑り
まるで極上の羽で触れられているような
そんな心地に酔いしれていたら
「はい、終了！」
手鏡を渡されて自分の顔を見る。
「…わぁ…！凄い……！」
左頬のあざは全く気にならなくなり、
かと言って決して厚塗りではなくて
いつもプライベートでほとんどメイクをしない私の素顔に近い。
「ふふん。
私にかかればこんなものよ？」
鼻高々に私に向かい、化粧筆を振ってみせるりんさん。
「わ！凄い！りんヌナ！」
突如背後からユノの声が響く。
びっくりして振り返ると
Ｔシャツとジーンズ姿のユノが私の顔を見て足早に近づいてきた。
手鏡で確認していたところを見られていたみたい。
「…凄い…！
あざが全然わからない！いつものAさんそのものだ！
さすがりんヌナ！」
手放しで褒め讃えるユノと、顎を上げてその賞賛を浴びているりんさん。
なんだかとてもほのぼのとしていた。
「さて、一仕事終えたし、私は帰るわね！」
メイク道具を片付けて、りんさんが立ち上がった。
「え？りんさんコーヒーの一杯でも…」
私も慌てて手鏡をおいてソファからたちあがる。
「ご馳走になりたい所なんだけど、これから仕事なのよ。
今度改めて遊びに来るから、その時ご馳走して？」
「りんヌナ、仕事だったの？
無理言ってごめんね」
ユノの言葉に
「ああ、仕事に差し障りがあるわけじゃないし、可愛い弟と妹のために一肌脱ぎたかったからいいのよ！」
そう言って帰っていった。
☆
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ゆうの(プロフ) - satoさん» 自分の中だけで消化するには傷が深すぎました。誰かの存在を感じることで得られる安心感ってありますよね。一人じゃない、って。その相手も大切ではありますが。ここにユノがいたことに意味があるんですよね(*^^*) (2016年2月18日 8時) (
レス) id: b73f13763a (このIDを非表示/違反報告)
sato(プロフ) - 廉さんの事…ユノに話しながら、心の整理をしてるんだね。良かった。。前をむくことが出来て…。これからの二人楽しみです。 (2016年2月17日 23時) (レス) id: ace70fdc14 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます(*^^*) ユノにはジュリがいますけど、今回のことがユノに大きな影響を与えたのは確かです！ (2016年2月17日 20時) (レス) id: b73f13763a (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 良かった〜〜これからのユノとの関係の変化に期待しています。 (2016年2月17日 20時) (レス) id: 56d5d27416 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - satoさん» 人間、やはり一人だけじゃ限界がありますよね。応援してくれる人がいる限りは大丈夫だと、私は思ってます(*^^*) ここで少しずつユノも変化していきます！ (2016年2月16日 20時) (レス) id: b73f13763a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作成日時：2015年12月30日 18時
