初詣 ページ5
☆☆☆
「おお！移動中の車から見たことある〜〜！神社〜！」
近場の神社を検索して、三人で歩いてきてみた。
近所とはいえ、ほとんど出歩いたことがないから私にとっても未知の世界。
お正月も三が日の最後だし、小さな神社のせいか参拝者はまばらで。
「……テレビとかで見るより地味ですねぇ…」
「…僕はこれくらいの方が落ち着くな〜」
正直な二人の感想に笑ってしまう。
「テレビに出るのはすごく大きな神社だからねぇ。
でも、実際助かった！これならバレないで帰れそう！」
安堵する私の言葉に二人も頷く。
それから二人にお参りの仕方をレクチャーし、お賽銭を持たせ、参拝の列に並んだ。
「神様には、お願いをするんじゃなくて、決意表明をするんだって」
「決意…表明？」
二人の目が丸くなる。
「えっと……これから、こういう風にします！とか、こういうことをします！みたいな」
「…なるほど！」
それから二人は何やら考えて
順番が回ってきた時には決まっていたみたいで
三人並んで神様に向かう。
お賽銭を入れて、二礼二拍手。
隣で手を合わせ、目を伏せる二人の口元が微かに動く。
……何を心に決めたんだろう……
……異国の地の神様に……
私も二人に習って手を合わせ、
二人には決意表明だよ、と言っておきながら
……二人の思う通りに進みますように……
私はつい、神頼みをしていた。
「ヌナ！あれ何？」
チャンミンが興味を示したソレは、おみくじ。
「うっわーい！」
「あ、いいなぁ…」
大吉のチャンミンに、小吉のユノ。
「ヌナ、なぁに？？」
チャンミンに覗き込まれた私のおみくじにあったのは…
「マジか……」
「なんて読むの？それ」
反対側から覗き込むユノに聞かれ
「……凶……」
真面目に入ってるんだね…凶って…。
「凶…って？」
若干テンションの下がった私を気遣って、ユノが遠慮がちに聞いてくる。
「……最悪の……一番下のやつ…」
「うわっ！そんなの引くなんてヌナってばある意味強運！」
チャンミンの面白がる言葉に、恨めしい視線を送った。
「滅多に引いたことないおみくじで、まさか凶を引くなんて〜」
嘆いていると
「そんなに嘆かなくても大丈夫ですよ？」
背後から落ち着いた声が聞こえてきた。
☆☆☆
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 307人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうの(プロフ) - satoさん» 自分の中だけで消化するには傷が深すぎました。誰かの存在を感じることで得られる安心感ってありますよね。一人じゃない、って。その相手も大切ではありますが。ここにユノがいたことに意味があるんですよね(*^^*) (2016年2月18日 8時) (
レス) id: b73f13763a (このIDを非表示/違反報告)
sato(プロフ) - 廉さんの事…ユノに話しながら、心の整理をしてるんだね。良かった。。前をむくことが出来て…。これからの二人楽しみです。 (2016年2月17日 23時) (レス) id: ace70fdc14 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます(*^^*) ユノにはジュリがいますけど、今回のことがユノに大きな影響を与えたのは確かです！ (2016年2月17日 20時) (レス) id: b73f13763a (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 良かった〜〜これからのユノとの関係の変化に期待しています。 (2016年2月17日 20時) (レス) id: 56d5d27416 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - satoさん» 人間、やはり一人だけじゃ限界がありますよね。応援してくれる人がいる限りは大丈夫だと、私は思ってます(*^^*) ここで少しずつユノも変化していきます！ (2016年2月16日 20時) (レス) id: b73f13763a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆうの
| 作成日時：2015年12月30日 18時
