掠れた声…YN ページ24
☆☆☆
見開かれたAさんの瞳は真っ直ぐ天井へ向かっていた。
ナイトテーブルの上のスタンドの暖かい灯りがAさんの頬を暖かく染める。
「A…さん？何か飲みますか…？」
俺のかけた言葉に
ちょっと驚いて、静かに俺の方を見た。
「あ……ユノ……？
……ど…うして……？」
微かな声。
起き上がろうとするAさんを手助けしようとベッドにあがり、その身体を支え起こした。
「…喉、乾いたでしょ。何か持ってくるね」
一言告げて立ち上がった。
「……ユ…」
Aさんが何か話しかけようとしてきたけど
俺はそのまま部屋を後にした。
見開いた瞳が真っ赤で
声がかすれていて
なんだかそれが堪らなく辛くて
俺まで泣いてしまいそうだったから…
冷蔵庫の前で一呼吸。
俺は、Aさんを支えるつもりで残ったんだからしっかりしないと！
気合いを入れるために自分で自分の頬を叩いた。
冷蔵庫からさっきチャンミンが買ってきてくれたミネラルウォーターのペットボトルを手に取り、寝室へ向かう。
コンコン、
ノックして部屋へ入る。
Aさんは
ベッドの上で壁を背に体育座りのような体勢で、膝に布団をかけて座っていた。
俺は静かに近づいて、一瞬悩んだけどベッドの端に腰掛けてペットボトルの蓋を開け、Aさんに差し出した。
Aさんは
「…ありがとう…」
消え入りそうな小さな声でそう言ってそれを受け取った。
…それだけでも
…心が苦しい…
Aさんはミネラルウォーターを一口、二口、口にして
微かにため意をつき
俺は静かにその様子を見ていた。
「…ごめんね
………嘘ついてて…」
Aさんが意外な一言を口にして、驚いた。
「…え？」
「……彼氏……いるっ……て…」
Aさんが
俯いてそう言った。
「……そんなこと……」
何か言ってあげたいけど
言葉が見つからない…
「……わかって…るんだよ……？
頭の中……では…どう考えたって……あそこから落ちて…見つからなくて……
それで…無事な訳はない…って………」
Aさんの
膝を抱えるようにしていた腕に力が入ったのがわかった。
☆☆☆
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ゆうの(プロフ) - satoさん» 自分の中だけで消化するには傷が深すぎました。誰かの存在を感じることで得られる安心感ってありますよね。一人じゃない、って。その相手も大切ではありますが。ここにユノがいたことに意味があるんですよね(*^^*) (2016年2月18日 8時) (
レス) id: b73f13763a (このIDを非表示/違反報告)
sato(プロフ) - 廉さんの事…ユノに話しながら、心の整理をしてるんだね。良かった。。前をむくことが出来て…。これからの二人楽しみです。 (2016年2月17日 23時) (レス) id: ace70fdc14 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます(*^^*) ユノにはジュリがいますけど、今回のことがユノに大きな影響を与えたのは確かです！ (2016年2月17日 20時) (レス) id: b73f13763a (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 良かった〜〜これからのユノとの関係の変化に期待しています。 (2016年2月17日 20時) (レス) id: 56d5d27416 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - satoさん» 人間、やはり一人だけじゃ限界がありますよね。応援してくれる人がいる限りは大丈夫だと、私は思ってます(*^^*) ここで少しずつユノも変化していきます！ (2016年2月16日 20時) (レス) id: b73f13763a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作成日時：2015年12月30日 18時
