気遣い…CM ページ12
♫
雨に打たれているのに車に乗るのを遠慮するこいつに
一体、何を言ったら一番響くのか。
咄嗟に出た言葉に嘘はなく、
「歌手志望が、風邪引くような真似はするな！喉を痛めるだろうが！」
本心のその言葉に、あいつはある程度大人しく車に乗った。
後部座席のドアを開け、キャリー共々後ろに乗るつもりのあいつに助手席に乗るように言ったけど
「そ、それは絶対にダメです！！見つかったら大変ですから！！乗るなら私は後ろに乗ります！！」
そう言い切ってキャリーを押し込み、そして自分自身も車内へと進んだ。
「…………」
遠慮していたかと思ったら、こんなところは絶対に譲らない。
俺たちのことを考えて動いてくれる、その心遣いをありがたく思いつつも
そんな遠慮をさせてしまうことに心苦しさも感じた。
もっと、普通にしたいのに…。
思えば、俺たちは
俺の周りの人たちは
普通とは違う普通が日常になっているんだな、と
なんとなく、胸の奥に痛みを感じた。
「……何で逃げたんだよ」
その痛みを見ないふりして、至って冷静にルームミラー越しにあいつを見る。
「え、、あ、あの………チャンミンさんがお酒を飲むのに……いたら…邪魔かと思って……」
そうだよな。
いつだって相手のことを考えて動くお前だからな…
「…飲めたのか？」
「え…あ、はい。1杯だけ…あ、
あーーーーっ！！」
俺の言葉に何かを言いかけて、次の瞬間に大声を張り上げる。
「うおっ…？！」
「きゃああっ！！」
その声に驚いて、思わずハンドルを握る手がびくつき、車がフラついた。
「い、いきなり大声を出すな！
それでなくても声がでかいんだから！！」
「す、すみません！！
でも、思い出してしまって…！
せっかく店長さんが美味しいカクテル作ってくださったのに、私ってば半分以上残してきちゃいました！！
もったいないし、申し訳ない〜〜！！」
本気で後悔している様子が見えて
思わず眉が八の字になって、頬が緩む。
軽くため息をついて
また、ルームミラー越しに声をかけた。
「マスターには後で伝えておくから心配すんな。
たいして飲めてないなら…俺に付き合え」
「……………………え？」
ものすごい間の抜けた顔で俺を見た。
♫
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ゆうの(プロフ) - Kaoru26さん» ありがとうございます(*^^*) ようやく、告白(？)出来ましたね〜。さて、チャンミンはどう出るでしょうか！！ (2021年3月3日 13時) (
レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
Kaoru26(プロフ) - ゆうのさんいつもいつもお話を､ありがとうございます！お話の展開が楽しくなって来ましたね！もう毎回☆×10を､つけたいです♪ (2021年2月28日 17時) (レス) id: 6233d11971 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - かえるさん» 更新に時間がかかって、ものすごくもったいぶった感が強くなってしまいました…^_^; (2021年1月26日 19時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - いつもお話ありがとうです。特別情報ってなんだ？気になって眠れなーい (2021年1月23日 2時) (レス) id: f095ecfa37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2021年1月8日 23時
