枝垂れ桜 ページ47
★★★
思っても見なかった光景だった。
ユノくんに連れられて目の前に現れたのは、
「六義園」の枝垂れ桜。
いつかは見たいと思っていた桜の一つだ。
この仕事をしている以上は絶対に見ることはできないと思っていた。
桜の季節は仕事が忙しくて、
とてもじゃないけど生で見られることはない、と。
抜けるような青空をバックに
優しい桜がまるで降るように咲いている。
風に揺れる桜が次々と表情を変えるから
その一瞬を逃したくなくて瞬きすら出来ない。
写真集やテレビではわからない、
目の前に迫りくるような迫力に
ただただ、圧倒された。
綺麗、とも
可愛い、とも
一言では言い表すことの出来ない大きな優しい桜が
温かく包んでくれる。
桜の抱擁に
ゆっくりとまぶたを閉じてみた。
周囲の喧騒は消えていき
まぶたの裏に
優しいオーラを纏う桜が静かに光を放つ。
鼻先をくすぐる控えめな香り。
なんて
温かいんだろう。
そして、もう一つの優しい温もりに気がついた。
私の左手をしっかり握る大きな優しい手。
その存在に改めて気づき、
真横に並ぶその顔を見上げる。
そこには、同じように桜を見上げるユノくんの横顔があった。
桜に負けない、綺麗な横顔。
柔らかな風が彼の前髪を軽く揺らす。
その様子に少し瞳を細める様子すら、ため息が出るほど綺麗だった。
額にかかる前髪をかき上げたユノくんの瞳が私に移る。
一瞬目を丸くしたユノくんは
次の瞬間ニッコリ笑って、
空いた左手がゆっくりと私の顔へと近づいてきた。
ドキン、と心音が上がる。
長くて綺麗な指が頬をかすめて、頭頂部へと。
「可愛いお土産！」
そう言うユノくんの指先には、淡い桃色の桜の花びらがあった。
優しい笑顔に
胸がいっぱいになる。
「…ありがとう！ユノくん！夢が一つ叶った！」
その花びらを受け取って、精一杯の笑顔で伝えた。
もっと、私の気持ちを的確に伝えることができる言葉があると思うのに
ただ、嬉しくて幸せで、
ひねりも何もない、陳腐な言葉しか出てこない。
「僕も初めてしっかりと桜を見た気がします。
Aさんのおかげですね！」
そう言って笑うユノくんが
本当に綺麗だ、と思った。
★★★
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ゆうの(プロフ) - YUNのさん» 見切り発射です！(定番の)(笑) (2020年8月8日 16時) (
レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
YUNの - おひさしぶりぃね！待ってましたよ、ドキドキ、キュンキュンだわ (2020年8月8日 13時) (レス) id: 92e00ad2f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - ひよさん» コメントありがとうございます(*^^*) 必死にスケジュール作成中です！！ (2020年8月4日 8時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - ゆうのさん、ありがとうございます。わくわく・・強行軍？楽しみです。 (2020年8月2日 16時) (レス) id: 532cbc9d20 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - ゆきさん» 見切り発車です…^_^; (2020年8月2日 11時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2020年4月26日 9時
