年下の恋人 8 (ページ45)

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弟くんサプライズ10 ページ45

★★★

「……ここ…ですか？」

カニ料理の専門店に到着し、車から降りて入り口までやって来た時

チャミくんが店構えを見て息を飲んだ。

「……ヌナ。真面目に引き返したくなりました」

そう言ってくるりと踵を返し、私に向かってくる。

から、両手でチャミくんの身体を押さえ、それを全力で阻止する。

「チャミくん！！大丈夫だから！心配しないで入ろう！！」

「だって、ここお高いじゃないですか～～！」

「大丈夫だって！！ユノくんなんて高給取りなんだから！！カニ料理毎日食べたって生きていけるんだから！」

「….それは言い過ぎですよね」

「はいっ！言い過ぎました！！

でも！ボーナスだって出てるし！年度末手当てだって出るから大丈夫！！」

「ええ～～～……」

しぶるチャミくんをぐいぐいと押して扉をくぐる。

なんとしてでも中に入れなければ…！！

「いらっしゃいませ」

えんじ色の和装の女性がにこやかに微笑んで頭を下げた。

「えっと…予約…してあるんですが…」

「はい。お名前をお願いいたします」

「…山本です」

「山本さま、ですね。ご案内致します。こちらへどうぞ」

店員さんに案内され、エレベーターで上へと移動する。

目的の階に到着した音が聞こえて、目の前が開ける。

緋色の絨毯が真っ直ぐに伸びていて、その両脇にちょっと小洒落た格子戸があって、

その中の一つを開けて、部屋の中へと案内される。

まるで、普通に老舗の旅館にでも来たみたいだ。

広い和室の中央に

4人分の席が準備されているのが見えた。

……えっ……。

その様子に冷や汗が出る。

……ユノくーーん………！！これってバレバレじゃないーーー？！

心の中で叫ぶ私。

★★★