年下の恋人 8 (ページ44)

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弟くんサプライズ9 ページ44

★★★

「ユノくんも、チャミくんに返してもらいたいとは思っていないだろうし、

逆の立場ならチャミくんだってそう思うでしょ？

チャミくんは、

これからのチャミくんの世界の中で、ユノくんから貰った色んなことを返していけばいいんだよ」

ユノくんは

決して見返りは求めていない。

溢れる愛をそのまま与えるだけ。

ひょっとするとその愛は

相手にとってものすごく大きくて、全てを受け取ることが難しいかもしれないけど

それでも真っ直ぐ届くその愛を

零れ落ちる中で少しでも掴むことができたら

ユノくんはそれだけで満足してくれる人だ。

いや、きっと受け取ってもらえなくても

与えるだけで満足な人なんだろうな…。

「ユノくんは…

きっとそれを望んでると思う…」

真っ直ぐに向かう先を見つめた。

「……そうですね。

愛に溢れている人ですもんね……」

チャミくんも

真っ直ぐ前を見据えて呟いた。

「……だからさ、今日は思う存分祝われてくださいな」

「…祝われる…って、そんな日本語あります？」

「ないですねぇ！」

チャミくんのツッコミに思わず笑う。

「…そうか。来年の今頃はここにいないんですもんね…」

チャミくんは

そんなことも呟いて窓の外へと視線を動かした。

ユノくんも寂しいだろうけど

チャミくんも寂しいよね。

でも

家族だっていつまでも一緒にはいられない。

それぞれにちゃんと進むべき道があるから…。

だからこそ

祝える時に全力でお祝いしたいんだよ。

だからこそ

今回はこんなサプライズを準備したんだよ？

ユノくんのサプライズに

チャミくんはどんな顔をするだろう。

喜んでもらえると良いなぁ、と

そんなことを祈りながら、ユノくんとの待ち合わせの店へと急いだ。

★★★