年下の恋人 8 (ページ39)

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弟くんサプライズ4 ページ39

★★★

「では、次のステージに参りましょう！」

車に乗り込んで、元気よく出発を宣言する。

「え？あ、あのカット代…」

「ここは、私からのお誕生日祝いです！」

「えっ？！」

ルームミラー越し、クリクリ目がまん丸く見開かれる様子が見えた。

…可愛い…。

そう思って頬が緩んだところを

「コホンコホン！」

助手席のユノくんがちらりと私を見ながらわざとらしい咳払いをする。

口もとを引き締める私。

…なんと言うか……

ユノくんってば最近鋭いなぁ。なんて思ったりする。

「…ありがとうございます…」

ぺこり、と頭を下げてくれる様子も可愛い。

と、言うのは心の中にしまいこんで、次の目的地でユノくんを下ろす。

「じゃあ、僕はここで降りるから、チャンミンはAさんと行動してね！
Aさんの言うことは僕の言うことだと思ってちゃんと言うこと聞くんだよ！」

まるで子供にでも言い聞かせるようなユノくんの様子が可笑しくて

口もとが緩むのを隠していると

「Aさんもね！いくらチャンミンがイケメン度増したからってポーッとしちゃダメだからね！」

と、私にも釘を刺して、1人ススキノの街に消えていった。

「え？ま、まさかの別行動なんですか？」

そうだよね。驚くよね。

「あ、うん。そうなの。ここからは少し、私にお付き合いお願いしますね！」

ルームミラー越しにそう言って笑うと

「よくまぁ、あのユノヒョンがAヌナと僕だけにしましたね」

「あはは！絶対助手席に乗せるな、とは言われてるけどね！」

「そう言われると行きたくなりますね！」

そう言ってチャミくんが後部シートから前のめりで顔を出してくる。

「チャ、チャミくん？！」

まさかそこから来れるわけが無いけれど、ちょっと慌てた。

「冗談ですよ。
本人いないのに煽るような事をしても面白く無いですもん」

…やっぱり煽りでしたか。

「それに最近ヌナはすっかり僕に慣れちゃったし…」

「…バレてた？」

「バレバレです。近づこうが、触ろうが、顔色ひとつ変えなくなりましたよね。

なのに今だにユノヒョンには真っ赤になるんですもんね～」

「…………」

言われるだけで、顔が赤くなる。

「弟相手に照れないでください。僕も恥ずかしくなるんで」

そう言って頬を染めるチャミくんが

やっぱり可愛い、なんて思っていた。

★★★