年下の恋人 8 (ページ33)

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バレンタイン18…YN ページ33

★★★

「うん。開けてみて？」

助手席に載っていたラッピングバッグを膝に、車に乗り込んだ僕に

車を発進させながらAさんが言う。

大きな袋を閉じてある大きなリボンを外すと…

「あ…ああ！これ！！」

中から現れたのは、韓国にいる時にしょっ中目にしていた大きなバスケット。

中には様々なチョコやお菓子がたくさん入っていた。

「うっわぁ！懐かしい！」

「ネットで調べたら…韓国のバレンタインはそう言う派手で大きなプレゼントが普通だ、みたいにあったから…」

「ええ、そうですよ！
ここぞとばかり大きいの抱えて歩いたりしますね…貰ったぞ～的な」

「そうなんだってね！
でも日本でそれをやるのは勇気がいるなぁと思って…で、こっそり準備してみました～」

運転しながら微笑むAさん。

「ユノくんなら今までもいっぱいもらってるんだろうなぁとは思ったんだけど…
この間、全部断ってくれてる、って言ってたから、これから1年間…は無理だけど、暫く買わなくて良いくらいのチョコを集めたので、食べてください！」

「…………」

忙しい中、一生懸命準備してくれた事が嬉しくて

感動して言葉が直ぐに出なかった。

「あ、ごめんね？ほぼ、買ったものなんだけど、真ん中のガトーショコラだけは作ったものだから！」

「えっ？！Aさんの手作りがあるの？！」

思わず目が光る。

真ん中の…ガトーショコラ？？

確かに、売り物のそれとは違うラッピングをされた焼き菓子が真ん中にのっていて

カードが添えられていた。

カードには

〝これからも仲良くしてください〟

そんな風にあって。

「もちろんですとも！」

思わず答えた。

「え？」

運転中のAさんが横目で僕を見る。

から、僕はカードを顔に寄せて見せた。

「お返事です！」

すると、「あははっ！」と、Aさんが声をあげて笑う。

「大荷物もあるので、今日は寮まで送るね？」

「えっ、でもAさん帰るの遅くなるよ」

「大丈夫！バスでしっかり寝たし、今日はバレンタインだから！！」

元気一杯にそう答えてくれるから

少しでも一緒にいたい僕は

「嬉しいな。じゃあ、お言葉に甘えて…」.

Aさんに、笑って返した。

するとAさんは

「うん！
そのガトーショコラね！私の一番好きなレシピのものなの。
ユノくんにも食べてみてもらいたくて、焼いてしまいました！」

そう言って更に嬉しそうな顔をした。

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