年下の恋人 8 (ページ30)

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バレンタイン15…YN ページ30

★★★

Aさんお手製のセーターに身を包み、2人でデザートプレートを食べる。

美味しくて

幸せで

最高のバレンタインだと感動していた。

食べている途中に店員さんがやってきて、ツーショット写真を撮影してくれて、

スマホには最高に幸せなバレンタインの僕たちが写っている。

「素敵なセーターですね！」

と、店員さんにも褒められて

Aさんと顔を合わせ、2人でお礼を言った。

「今度のナイターにはこれを着て行こう～～！」

「えっ、もしかして会社に着てくる？！」

「ナイターに行く日だから、そうですね」

「き、着てきてもいいけど、私が編んだとか言わないでね！！」

「え？」

Aさんの提案に目が丸くなる。

「絶対！！絶対言わないでね！！特に！コバさんには！！」

真剣な眼差しで僕を見る。

「えー？なんでですかー？見せびらかしたいのに～～！」

「いやいや！それだけはお願いだから！
もう、絶対激しく冷やかされるから！！」

「うーん。その冷やかしすら僕は嬉しいんですけどねぇ……」

でも、Aさんが心底嫌がることはしたくはないし…

「わかりました。Aさんが作った、とは決して言いません！」

「絶対だよ？！約束だよ？！」

Aさんがそう言って必死に右手で小指を立てる。

「？」

僕が首をかしげると

「あ、ゆびきり…わからないか！」

Aさんが気がついたように言うから

「あ、見たことあるかも！子供とかが約束する時にするやつですよね」

テレビとかで見たことある気がする！

「………ごめんね、子供で」

拗ねたAさんの唇が尖った。

その姿が可愛くて、思わず顔を近づけてチュ…とキスをした。

「………！！」

目を丸くして真っ赤になるAさんに

「子供にはこんな事はしませんよ？」

そう言って笑って見せる。

「……………………嘘だね」

「え？」

Aさんは真っ赤な顔で僕を見つめたまま呟いた。

「…ユノくんなら自分の子とかにガンガンキスしそうだもん」

「え～～」

「だって日菜とかに普通にチューするじゃん」

「あれはほっぺたじゃないですか」

「ほっぺただってチューはチューだもん」

「…Aさん、ひょっとしてヤキモチやいてます？」

まさかの日菜に？！驚くのと同時に嬉しくて仕方なくなってきた。

「まっ…まさか！日菜相手にヤキモチなんてやかないよ！私だって日菜のほっぺにチューするし！！」

Aさん、ゆでダコになってるけど…？

★★★