年下の恋人 8 (ページ23)

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バレンタイン8…YN ページ23

★★★

「え？」

Aさんの言葉に目が丸くなる。

「ユノくんがしっかり支えてくれる、助けてくれる、導いてくれる…って、信じられるからやってみよう、って思えてるだけだよ？」

そう言って笑うAさん。

そして、ついと視線を落として

「…他の人となら……やってないもん」

ポツリと呟く。

僕から見えるAさんの頬のあたりが、少し赤くなったのが見えて

「…！ゆ、ユノくん…？」

思わず抱きしめた。

「…僕も、Aさんだから、ですよ？」

「…え？」

「…Aさんだから、少し無理言っても一緖にいたいし、やりたいんです。色んなことを…」

「………」

僕がそう言うと、

ゆっくりとAさんの腕が動いて、僕を抱きしめ返してくれた。

温かい。

心も身体も、本当に温かい。

もっと温もりを感じていたいところだったけど、バス時間が迫ってる。

「Aさん、バスの時間！急ぎましょう」
「あ、そうだね！うん！」

赤い顔で僕を見上げて笑うAさん。

が、可愛いから、少し屈んでキスをした。

「行きますよー！」

まんまる目でフリーズするAさんを横目に、

Aさんのボードも持ってダッシュする。

「…ユノくんっー！！」

背後にAさんの声。

真っ赤な顔のAさんを想像して、楽しくてしようがない。

帰りのバスは

いつも2人で爆睡。

朝早くから動いてるし、ボードでがっつり滑ってるから疲労度MAXで。

それに、札幌に帰ってからの夕食も楽しみだから今はしっかり休んでおく。

特にAさんはそこから車で帰らなくちゃいけないし。

家に帰るまでがボードだから！！

Aさんと2人、お互いに寄り添うように眠りについた。

借りたブランケットを2人でかけて、

その下でしっかりと手を繋いで。

眠りに落ちる瞬間、

…あ、忘れてたけど今日はバレンタインじゃん…？

まだ…チョコもらってない…

札幌に戻ったら……もらえる……？かなぁ……

なんて思っていた。

★★★