彼女のお願い ページ26
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Aの退院の日
ちょうど誕生日のその日
プレゼントとしてお願いされたのは
Aの曲のギター伴奏だった。
生まれてこの方、楽器なんて学校でのリコーダーやら、器楽演奏の小太鼓だの、程度で
ましてやギターなんぞ弾いたことがない。
「無理無理無理！」
「頼むよーー！！
だってしばらく自分では全然弾けないし！
でもギター伴奏で歌いたいし！
コレっきりだから！もうわがまま言わないから！
今回だけ！！お願い！！」
Aに懇願され
「…うーーーー………下手でも笑うなよ？」
「笑わないよぉ！！誰だって初めっから上手いわけないんだから！！」
「………それが一番欲しいものなのか？」
「…うん！
益々勉強で忙しくなるチャンミンに、
この先こんな事お願いできる事は無いから！
今回だけ！」
「………わかった」
渋々OKした。
とんでもない約束をしたと一瞬後悔したけど
「やったぁ！！じゃあ頑張って仕上げちゃおう！！」
Aが本当に嬉しそうに五線紙に向かうから
…まぁ、やれるだけのことはやってみるか…
と、元来の負けず嫌いな性格が顔を出した。
それからの俺は
Aのギターを使って必死に練習した。
Aには申し訳ないが
基本、物覚えは早いから理論上のことは直ぐに頭に入った。
あとは、
とにかく指がそれについてこれるか、と言うところ。
これはなかなか、
勉強のように簡単にはいかなかった。
練習していてつくづく思う。
才能があるとか、ないとか
俺にはそんな事はわからない。
でも
Aの歌は好きだと思う。
それはAを好きだからそう思うのか
贔屓目があるかもしれないけど
でも、
ずっと見てきた俺だからわかる。
Aがとても歌が好きなこと。
好きな歌を歌うためならどんな犠牲も、苦労も厭わないこと。
練習すら楽しそうで
上手く歌えたり、納得した音が出せると本当に嬉しそうなこと、
ずっと見てきた俺だから…
真剣に五線紙に向かうAを見ながらそんなことを考えていて
ふと、気づいた。
俺も、そう見えていた、ってことか…。
勉強している時の俺。
俺がAを見てきたように
Aも俺を見ていてくれていた。
改めてものすごく嬉しくて
胸の奥が熱くなった。
ああ
俺、幸せだな
そんな風に思う。
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ゆうの(プロフ) - まゆまゆさん» チャミソロを記念してのアップだったのに、結末がこんなんで申し訳ないなぁと思いつつ…。受け入れていただけているだけでもありがたい限りですm(_ _)m (2020年4月5日 16時) (
レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - きっとチャンミンも聴いてくれてるよね。うんうんって頷きながらニコッて笑ってくれてると思います。ステキなお話ありがとうございました。 (2020年4月5日 9時) (レス) id: ddaab80a3d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - ともさん» 読んで下さり、ありがとうございます(*^^*) アンハッピーエンドで申し訳ないんですが、描きたいものは描けたかな、と思っています！ (2020年4月4日 20時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - ゆうのさん！ありがとうございます。わぁー。チャンミンにも届いてるー。泣 素敵なお話をありがとうございます。 (2020年4月4日 10時) (レス) id: 8360f041ee (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - wakaさん» 歌わせてみたくなりました！(*^^*) (2020年4月4日 9時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2020年3月22日 18時
