抱きしめる…YN ページ19
★★★
Aさんの小さな両手に包まれた僕の右手。
両手を使っても僕の手を覆いきれないAさんの小さな手。
でも
それ以上の温もりを感じることができる。
全身で僕を守ろうとしてくれている気持ちが伝わってくる。
温もりで泣きそうになっている僕に
僕の待ち続けていた言葉が降ってきた。
「…ユノくん。
私は、あなたが好きです」
待っていた言葉。
信じてはいた。
きっとそうだ、と。
でも、
言葉にしてくれることがこんなに嬉しいなんて。
今までに
何度となく告白をされてきた。
もっと熱烈な言葉を並べられたこともある。
だけど
こんなにシンプルな言葉がなんて嬉しいんだろう。
なんて
幸せなんだろう。
それは
Aさんが言ってくれるこの言葉の重みを
僕は知っているから。
これだけを言ってくれるのに
どれだけの覚悟と勇気を持ってくれているのか。
嬉しくて。
幸せで。
ほっとしたような
穏やかな表情で僕を見るAさんも泣いていたけど
Aさんの言葉が胸に響いて、
幸せで胸が苦しくて
僕も泣いていた。
「…知ってます。でも…
僕の方がもっとAさんを好きですよ？」
そう言って笑ってみせる。
困ったように笑うAさんに
僕は少しだけ我が儘を言いたくなった。
「…あ、すみません。Aさん、ちょっと…左手の点滴、見てもらえます？」
僕の言葉に
「え？どうかしたの？大丈夫？」
心配して覆いかぶさるように左手の様子を見にきてくれるAさんを
僕はすかさず抱きしめた。
「えっ…ゆ、ユノくんっ？！」
慌てて身体をフリーズさせるAさんに思わず笑ってしまう。
「………充電させてくださいね。ずっと…Aさんが足りなかったから…」
胸の中に閉じ込めてしまった愛しい人は
僕の願いを聞き入れてじっとしてくれていた。
硬直していた身体からはやがて力が抜けてきて
静かに僕の胸にその身体を預けてくれるようになった。
そんな変化が嬉しくて。
怪我人でなければ、
点滴がついていなければ、
Aさんを抱き上げて飛び跳ねていただろう。
それくらい舞い上がっていた。
★★★
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すぐり(プロフ) - ご無沙汰しておりますm(_ _)m…何年ぶり過ぎて覚えていただけてないかと思いますが…久しぶりに最初からここまで一気に読んでしまいました…（笑）途中ｱﾝﾀ要らん！止めてくれ！と登場した方や主人公にｲﾗｲﾗ募らせましたが…ﾁｬﾝﾐﾝ ﾅｲｽ♪←ﾁｬﾐﾍﾟﾝ (2021年11月19日 10時) (
レス) @page33 id: bb1ccf3ed7 (このIDを非表示/違反報告)
velvetvoiceaorj(プロフ) - 結納の日は、私も号泣いたしました(笑)でもやっと気持ちが通じて幸せそうに最後までこれてよかったです！ハラハラ、ほっこりな小説をありがとうございました！続きも楽しみに読ませていただきます！ (2020年8月21日 16時) (レス) id: 1e2db25431 (このIDを非表示/違反報告)
velvetvoiceaorj(プロフ) - ゆうのさん、ありがとうございました！一気読みして今読み終わりました。ユノの小説なのでユノに落ちるだろうと読んでいたのですが、えっ、つきあっちゃったよ？えぇっ結婚の約束しちゃったよ？あれ…指輪買っちゃったよ…えっ結納したよ！とハラハラ…(笑) (2020年8月21日 16時) (レス) id: 1e2db25431 (このIDを非表示/違反報告)
ｻﾏﾕｶ(プロフ) - ゆうのさん ありがとうございました 色々な場面で考えさせられたりときめいたり登場人物に感情移入したり…最後は二人がキラッキラッの笑顔♪太陽の匂いを感じるハッピーな気分でした(●^ｰ^●) (2020年1月15日 7時) (携帯から) (レス) id: ed0ecec96d (このIDを非表示/違反報告)
ナンナン(プロフ) - はい！ありがとうございます(o^^o) (2020年1月15日 0時) (レス) id: 8af76ea28e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2019年12月23日 9時
