人の繋がり ページ6
☆☆☆
ものすごい数のライトが集まるその場所。
ものすごい数のスタッフ達の意識が一斉に集中する場所。
ひとたびそこから外れると、薄暗い空間が広がるだけ。
ライトを浴びてる側からは、周りは暗くてよく見えない。
ただ、
その薄暗い空間の中でも、地道に働き続ける人たちがいる。
ほんの一握りの人間に光をあてるために
その周りにどれだけたくさんの人がいるんだろう…。
どれだけたくさんの人の支えで、
あの場所に立てるんだろう…。
そんな事を考えながら、ライトの向こうを見つめていた。
カットがかかり、OKが出て休憩に入り、
スタジオ全体に光が戻った。
(あ…現実に戻った…)
隣の高坂さんが私に視線を戻す。
「…Aさん…よね？」
(うわっ！高坂さんに名前覚えて貰ってる！！)
「あっ、はいっ！新人です！よろしくお願いします！」
いただいた珈琲のカップを両手で握り、姿勢を正してお辞儀をした。
改めて見る、
明るい場所で見る高坂さんは益々美人で緊張する。
「そんなに緊張しないで？
珈琲、あたたかいうちにどうぞ？」
そう言って差し出される手の動き一つとっても優雅。
「あっ、はい！いただきます！」
促されるまま、カップに口をつける。
一口飲んでまた、びっくり。
「…あ…れ？……この味…」
「間違えたかしら？
珈琲にミルク2つが定番だって聞いてたんだけど。」
いたずらっ子のような瞳で高坂さんが私をみる。
「えっ…？」
確かにそうなんですけど…何故それを高坂さんが…？
目をまん丸にして高坂さんを凝視してたら、
高坂さんがぷっと吹き出した。
「本当に百面相なのね。」
あっ！
その一言でわかった！
「監督ですね！？沢渡監督！」
思わず叫んだ。
そんな私に、化粧が剥がれそうな勢いで大笑いする高坂さん。
その意外な表情にすら惹きつけられる。
笑いながら高坂さんが答えてくれた。
「うん、そうなの。
沢渡さんとは付き合い長くてね。
キャストにあなたが決まった時、よろしく頼む、って連絡よこしたのよ。」
監督が…。
「自分が引き込んだ世界だから、心配みたい。
沢渡さんの紹介なら間違いないわ。
私で良ければ力になるから、何かあったら相談してね。」
そう言って、それはそれは優しい笑顔を向けてくれた。
「…ありがとうございます…」
深々とお辞儀した私の目から
涙が零れた。
☆☆☆
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ゆうの(プロフ) - harukaさん» (笑)そんな事を全く気にしない大らかな【私】と言うことで…。コメント、ありがとうございますm(__)m (2014年6月11日 12時) (
レス) id: 02736c93be (このIDを非表示/違反報告)
haruka(プロフ) - チャミナ、【私】は保護者ですか？(笑) (2014年6月11日 12時) (レス) id: d7583bc94b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作成日時：2014年6月5日 16時
